佛教大学通信の法律学概論2024年度の最終科目試験に合格(80点)したレポートです。限られた試験時間ですので、参考にしていただき、有効活用いただければと思います。
1.日本の社会保障制度について概説せよ。
参考文献:君塚正臣編2016年4月『高校から大学への法学〔第2版〕』
社会保障制度は、産業革命がやがて独占・寡占を生み出した市場の失敗や、1929年ニューヨークを起点として世界に伝播した世界恐慌、さらには2度の世界大戦などにより膨大な失業者をはじめとする国民生活が破綻していた状況を改善すべく生まれた保障制度である。累進課税制度の導入等による所得再分配や公共事業の発注に伴う雇用の創出などの財政政策の実施により、完全雇用の実現や福祉国家化を目指した。アメリカのニュー・ディール政策による社会保障法(1935年)やイギリスのベバリッジ報告(1942年)に基づく家族手当法(1945年)をはじめとする社会保障関連立法が挙げられる。
日本では、第二次世界大戦後の日本国憲法により、生存権(第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。【※引用:衆議院HP日本国憲法】)を保障したことで本格的に社会保障制度の整備が図られてき...