2021年度版の生物学実験レポートです。
本レポートを参考に自身の記述を織り交ぜてご利用いただけると幸いです。 ※内容の丸写しは絶対にお控えください
1. 目的
生きたままの植物の種類細胞を用いて原形質分離により細胞の浸透圧を測定する。
2. 原理 (参考文献なし)
植物細胞には、細胞膜の外側に強固な細胞壁を持っている。成熟した植物細胞や表
皮細胞は液胞がよく発達しており、原形質は細胞壁に押し付けられて薄い皮膜(原形
質のう)を形成している。
一方細胞膜や液胞は弾力性が高く、水だけを通す半透膜になっている。そのため、
このような細胞を高張液に浸すと、液胞から水が外に出て原形質や液胞の体積が減少
するが、細胞壁は固いので体積は変化しない。よって、原形質が細胞壁から分離する。
この現象を原形質分離という。溶液の濃度を変えていくと、原形質分離が起こり始め
る濃度を求めることができる。その値を用いて、次の式から浸透圧を求められる。
…式1
ここで、P:浸透圧、i :等張係数(非電解質は 1.0)、R:気体定数[=0.082 L atm
mol
-1 K
-1]、C:限界原形質分離濃度[mol/L]、T:絶対温度[K]である。
浸透圧とは、細胞が元の形に戻ろうとするときにかかる圧力のことで、濃度に比例
する。細胞内に水が入るこ..