中国史の時代区分について

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    現在、日本の学会で広く通用している、前近代の中国史に対する時代区分法には、大きく二つのものがある。
     一つは後漢までを古代、三国から唐までが中世、宋以降を近世に分けるものであり、もう一つは唐までを古代、宋以降を中世に分けるものである。前者をA説、後者はB説とする。
    A説は内藤湖南が提唱した学説であり、古代・中世・近代の三区分法を中国史に始めて導入したのが特徴である。また、中国史の時代区分について宋代から近世が始まるとする説(唐宋変革)を初めて提唱しており、後のB説や西洋における中国史に大きな影響を与えた。これを戦後宮崎市定が継承し、多くの要素がまとまって変動する時期を時代の境目とした。
    A説による各時代の特徴は次のようである。
    まず、3世紀までは古代にあたる。この時代、政治は都市国家→領土国家→古代帝国というように求心的に発展した。経済面は商業資本の成立により、好景気の時代であった。また、一介の人間が自らの才能でのし上がることが可能であったことから身分の流動性を有していたといえるだろう。
    三国時代から六朝・隋唐(3~10世紀)にかけては中世にあたる。この時代、政治面では古代的発展が行き...

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