前提知識【第99回薬剤師国家試験173問 解説】参照
第 97 回薬剤師国家試験 問題 275
1
不整脈治療に使われるこのジゴキシンは、有用な医薬品であることは間違い
ないけど、治療域が狭くて(0.5~2.0ng/ml)、治療薬物モニタリング(TDM)
が必要なことでかなり有名だね。
少し飲み過ぎると副作用が出ちゃうし、少し足らないだけで不整脈を抑える
効き目がなくなっちゃう、とてもシビアな薬だね。
また、ジゴキシンはほとんどが腎臓で排泄されるため、腎機能障害のある患
者さんでは、体にジゴキシンが残ってしまい、血中濃度が上がって副作用が出
やすくなる。
さらにさらに、甲状腺機能が亢進しているとジゴキシンの代謝・排泄が早ま
って予想外に血中濃度が下がってしまうし、甲状腺機能が低下していると、腎
機能障害の時と同じで体にジゴキシンが残ってしまい、予想外に血中濃度が高
まってしまう。
要するに、いろんな要因で血中濃度がガラッと変わってしまう。患者さん一
人ひとりで適切な量がわかりにくいから TDM で確認しなきゃいけないってこ
とだね。
効き目は良くても、この扱いづらさは大変だよね!
この患者におけるジゴキシンの全身クリアラン..