食品加工学 手打ちうどん

閲覧数5,146
ダウンロード数6
履歴確認

    • ページ数 : 5ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

     小麦粉のたんぱく質は、グリアジン、グルテニン、アルブミン、グロブリンなどのうち、グリアジン、グルテニンが約85%を占める。この2つのたんぱく質は、普通の状態では水に溶けないが、水を加え練り合わせると徐々に水を吸って、グリアンジンは流動性のあるねばねばした物質に、グルテニンは硬いゴムのような弾力のある物質に変わる性質がある。そのうえでこねるとそれらが結合したたんぱく質の糸状分子の間に網目構造が作られる。この網目構造のものをグルテンという。
     グルテンの形成は、たんぱく質の分子間のイオン結合、水素結合、−SH基によるジスルフィド結合、アミノ酸残基による疎水結合などが関与している。ジスルフィド結合はその他の結合に比べて強いのでグルテンの網目構造を強力にしている。
     グルテンは粘性と弾性を併せ持った物質で、穀類の中で唯一、小麦粉にだけ形成される。薄力粉の場合、ビルディングビルの鉄骨のように細かくつながり、その間にデンプン粒が埋め込まれた状態で、強力粉の場合では、ビルディングビルの骨格をつなぐ隔壁のような薄い膜状に広がる。このグルテンは練り合わせた状態では無理な力で引き伸ばされた状態であり、無理に生地を伸ばそうとしても元の状態に戻ろうとする力(弾力)の方がずっと強いため伸ばしにくい。しかし、この弾力は放置しておくと、グルテンの網目構造の中で、無理に引き伸ばされている部分が切れ、構造全体に余裕が出て弾力も弱まる。
     食塩はグルテンを引き締め(収斂作用)、生地の粘弾性を増加させる働きを持つ。小麦粉を食塩水でこねることにより、グルテンの網目構造の展開にやや時間がかかるものの、グルテン組織はより強力にしっかりと形成され、これがうどん特有の食感を生み出している。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    食品加工学実習
    『手打ちうどん』
    手打ちうどん
    ■材料■     小麦粉(香川特雀)…240g
             食塩…7.5g
             水…110ml
             小麦粉(打ち粉用)…適量
             かけ汁(醤油72ml、酒54ml、みりん36ml、砂糖36ml)
             ※6人分の分量である
             具(長芋、ねぎ、生姜、うずら卵、きざみのり)
    ■用具■     ボール、ふるい、メスシリンダー、はし、ラップ、麺棒、ガーゼ、包
             丁、まな板、蒸器、ざる
    ■作り方と注意点■
    Ⅰ.材料の調製・混合
    ①ボールに小麦粉をはかり、ふるいにかける。
    ②食塩水(食塩+水)をつくり、粉の中へ入れ、直ちにはしで均一に混ぜボロボロとした状態にする。
    Ⅱ.こね上げ
    ①材料が均一に混合できたら、次は手でこね合わせる(ボールの中で)。
    ②ひとまとめにできるぐらいになったら台の上に出し、さらにこねる。
    ③全体的に粉っぽさがなくなり、表面がなめらかになれば丸めてラップに包む。
    〈注〉混捏終了の目安は5~10分である。
    Ⅲ.ねかし
    ラップに包んだまま30~...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。