大同での緑化協力 カウンターパート

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    大同での緑化協力
    カウンターパート
     国際協力で重要なのがカウンターパート。“国際”であるかぎり、日本側の条件だけで協力活動の成否が決まるなどということはありません。活動の舞台が外国である場合、カウンターパートの果たす役割が決定的に大きいのです。協力プロジェクトを“日本の小植民地”や“大規模な実験室”に終わらせないためにも、カウンターパートの役割や相互の十分なコミュニケーションが大切です。
     GENは大同市青年連合会をカウンターパートに緑化協力活動をはじめました。当初は人事異動がはげしく、担当者も短期間で交替し、引き継ぎも不十分でなかなか思うような活動ができませんでした。植樹造林は50年、100年の仕事なのに、こんなことでは困ります。決まった責任者がある程度の期間継続して仕事にあたり、後継者にスムーズに引き継がれるような状況をつくりたい。そこで、大同市青年連合会のなかに、GENの緑化協力を専門に担当する部署をもうけてもらうことになりました。彼らが決めた名前は、緑色地球網絡大同事務所。「緑色地球網絡」は「緑の地球ネットワーク」の中国語訳です。私たちの現地事務所と誤解されるおそれもありましたが、彼らがせっかく気に入ってつけてくれたのですから、そのままにしました。
     緑色地球網絡大同事務所は94年の夏から動きはじめました。初代所長の祁学峰さんのスーパーぶりは、黄土高原だよりでお読みいただくことができます(No.11、15、16、43、115、130、144等)。基本的なところでは、実施プロジェクト決定の手順、緑化資金のながれ、日本で必要とされる書類の書式への対応など、活動の基礎がひとつひとつ固められていきました。
     98年1月、大同事務所に武春珍さんが加わりました。彼女のバイタリティ(押しの強さ?)は、黄土高原だより(No.68、69、70)をご参照ください。この年の夏、大同市青年連合会主席になり緑化活動の現場を離れた祁学峰さんにかわって、武春珍さんが大同事務所2代目所長となりました。
     大同でこの活動を支えているのは、そのほかに大同事務所副所長で会計担当の魏生学さん、スタッフの李海静さん、運転手の郭保青さん、環境林センター技術者の楊元勝さん、霊丘の李向東さんなどツアー参加者が顔をあわせるメンバーのほか、環境林センター、霊丘自然植物園とカササギの森のスタッフ、それに、ボランティア通訳の王萍さんを忘れてはいけません。「日本側と中国側はこの緑化活動という車の両輪。片方だけでは車は進めない。バランスをとることが大切」と言ったのは祁学峰さんですが、こうしてみるとどうも中国側の方がパワフルです。日本側にもそれなりの苦労はありますが、やはり現場ならではの問題を乗り越えていくには、ずっと大きなパワーが必要とされるようですね
     その大きなパワーも、自分たちの人事問題には対処する術がありません。困ったことに、祁学峰さんの後任の青年連合会主席が、大同事務所のメンバー入れ換えをはかったのです。GENの協力活動は10年間でどんどん複雑化し、大同事務所の仕事は専門職といっていいでしょう。さらに、都市の人間がいやがる農村に足しげく通わなければ仕事はできません。それなのに、国際協力というはなばなしい部分だけを見て、植林の現場にも行かずに人事をかきまわされたのではたまりません。大同市とも相談して、人事など重要案件を変更する際には日本側の同意なしにはおこなわない約束をかわしたのですが、1年たつとまた同じことが繰り返されました。これでは大同事務所のスタッフは安心して仕事ができません。
     青年連合会との協力関係は断ち切りたくないけれど、大同事務所あっての緑化協力活動です。数か月かけて調整をおこない、2003年春、大同市青年連合会との関係を終わらせ、大同事務所のスタッフや資産をはじめ、環境林センター、霊丘自然植物園、カササギの森など全てを大同市総工会(労働組合の連合体)に移管することで決着しました。
     新しいカウンターパートの総工会は、この活動にとても乗り気です。総工会も、労働組合の新しい活動として緑化に取り組んでいたけれども、植えるだけであとの管理が行き届かずに枯らしてしまうことがあった、10年以上の経験とノウハウを蓄積してきたGENと協力できるのは大歓迎だということです。大同事務所のスタッフをはじめ、環境林センター、霊丘自然植物園、カササギの森のスタッフも安心して仕事に打ち込むことができます。この間、大変な思いもしましたが、新しいカウンターパートを得たことで、いままでと違う可能性が見えてきそうな予感がしています。
    情報提供先→  http://homepage3.nifty.com/gentree/partner.html

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