商法・民法:会社の法人性

会員540円 | 非会員648円
ダウンロード カートに入れる
ページ数2
閲覧数611
ダウンロード数6
履歴確認

    ファイル内検索

    タグ

    資料紹介

    会社の法人性

    八幡製鉄株式会社の代表取締役Y1・Y2 が、同会社を代表して自由民主党に政治資金350万円を寄付した。同会社の株主X は、右行為が「鉄鋼の製造及び販売並びにこれに附帯する事業」という定款所定の目的外であり、自然人たる日本国民にのみ認められた参政権を侵害し、株主の政治的信条を無視することから株主の参政権をも侵害するなど種々の点から民法90条違反の行為であり、取締役Y1・Y2は同会社に対する忠実義務に反し会社に上寄付額と同額の損害を与えたので、同会社へこれを賠償する義務を負担しているとし、Y1・Y2 に株主代表訴訟を提起し、Y1・Y2 が同会社に連帯して350万円及びそれに対する遅延利息を支払うように求めた。
    最高裁は、上告を棄却した。判決の要旨は以下の通りである。「会社は、自然人と等しく、社会の構成単位たる社会的自在であるから、それとしての社会的作用を負担せざるを得ない。一見定款所定の目的と関係がない行為でも、会社に、社会通念上、期待ないし要請されるものである限り、当然なし得る。
    かかる社会的作用に属する活動をすることは、企業体としての円滑な発展を図る上うえで相当の価値と効果を認め得るから、これらの行為もまた、間接ではあっても、目的遂行上、必要な行為である。」
    「政党は、議会制民主主義を支える不可欠の要素であり、国民の政治意思を形成する最も 有力な媒体であるから、国民は政党のあり方について重大な関心を持たざるを得ない。したがって、社会の構成単位である会社に対しても、政党の健全な発展に協力することが、当然期待され、その協力の一態様としての政治献金についても例外ではない。」
    「会社による政治資金の寄附は、客観的、抽象的に観察して、会社の社会的役割を果たすためになされたものと認められるかぎり、会社の定款所定の目的の範囲に属する行為である。」

    資料の原本内容( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    会社の法人性
    1 会社は法人とされる(54条1項)。つまり、会社自体も権利義務の主体たりうる地位(権利能力)
    を有する。
    したがって、会社に帰属した財産は、会社の構成員(社員)の債権者の引当にはならない(排他性)。
    また、会社の債権者は社員の財産にかかっていくことはできない。
    2 営利法人としての会社は会社の根本規則である定款に規定した目的(166条1項1号)の範囲内
    で権利を有し義務を負うか。(公益法人について定めた)民法43条が類推適用されるかが問題とな
    る。
    思うに、法人の権利能力は、自然人の場合と異なり、立法政策的に付与されるものであるから、目
    的による制限を受けることには合理性があり、特定の目的を中心に結集した社員の利益にも資する。
    よって、会社が法人である以上は民法43条の類推適用を肯定すべきであると解する。
    3 もっとも、定款所定の目的を厳格に解すると、会社の活動が制限される上、取引の安全を害する危
    険性がある。
    そこで、社員の利益を害さない範囲で広く活動することが認められるべきである。
    また、民法43条が系譜的にイギリス法上のウルトラ・ヴァイレスの法理..

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。