非嫡出子相続分差別事件決定についての分析

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    非嫡出子相続分差別事件決定についての分析
    1.事実の概要
     被相続人である女性は長女として跡取りを残すことを期待され、婿養子選びのための試婚が繰り返された。特別抗告人はそのような試婚により生まれた非嫡出子の子供である。特別抗告人は、代襲相続人として嫡出子側の相続人を相手取り、非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1と定めた民法900条4号但書の規定は法の下の平等を定めた憲法14条1項に反すると主張し、平等な割合による分割を求めて、遺産分割の調停を家庭裁判所に申し立てた。
    2.判旨(反対意見を含む)
    (1)本件でまず問題となったのは、14条1項の意味内容をどのように解釈するのかである。この点、本決定は、「憲法一四条一項は法の下の平等を定めているが、右規定は合理的理由のない差別を禁止する趣旨のものであって、各人に存する経済的、社会的その他種々の事実関係上の差異を理由としてその法的取扱いに区別を設けることは、その区別が合理性を有する限り、何ら右規定に違反するものではない(最高裁昭和三七年(オ)第一四七二号同三九年五月二七日大法廷判決・民集一八巻四号六七六頁、最高裁昭和三七年(あ)第九二七号同三九年一一月一八日大法廷判決・刑集一八巻九号五七九頁等参照)」と述べている。
    ①この論点においては、第1に、同条同項「法の下の平等」は単に法適用の平等を意味するのか(立法者非拘束説)、あるいは法内容の平等までも意味し、立法者をも拘束するのか(立法者拘束説)という見解の対立がある。
     この点、立法者非拘束説は、法の「下の」平等という文言を重視したものであり、あまりに形式的にすぎる。そこで、学説上は、立法者拘束説が通説となっている。この説は、①内容が不平等な法を平等に適用しても、平等の要請は満たされない、②「法の支配」の見地からすれば、立法者もその権限行使について憲法に拘束されるということを根拠とする。
    本決定も、引用判例(最高裁昭和三七年(あ)第九二七号同三九年一一月一八日大法廷判決)から、立法者拘束説にたつものと考えられる(反対意見も同様と考えられる)。
    ②第2に問題となるのは、同条同項にいう「差別されない」とは、例外を認めるものか否かである。
     この点、各人はその事実状態において千差万別であることから、この各人の事実上の差異を無視して均一な取扱いをすることは、場合によってはかえって不合理な結果を招来し、平等の保障を没却することになることを根拠として、合理的差別を許容する説(相対的平等説)が通説となっている。つまり、平等とは、各種の事実上の差異を前提として法律上異なった取扱いを定めることを許す趣旨であるとするのである。
    本決定も、この立場にたつものと考えられる(反対意見も同様と考えられる)。
    (2)このように解するとして、次に問題となるのは、差別に合理性があるか否かの審査基準をどのように考えるべきかである。
    ①この論点について考える前提として、14条1項後段の列挙事由の性質をどのように考えるかが問題となる。
     この点、判例は、列挙事由からもれたものには平等が保障されないとしたのでは、法の下の平等の趣旨を害することになるとして、文字通り「法の下の平等」が保障されるものの単なる例示にすぎないとする(例示説)。一方、(ⅰ)単なる例示としたのでは法が列挙した意味がないこと、(ⅱ)列挙事由は、その多くが人の出生によって決定される条件であり、自己のコントロールが及ばない事項であり、こうした「生まれ」による差別を認めないのが平等思想の根源であること、(ⅲ)民主国家にあっては国民1人1人

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    非嫡出子相続分差別事件決定についての分析
    1.事実の概要
     被相続人である女性は長女として跡取りを残すことを期待され、婿養子選びのための試婚が繰り返された。特別抗告人はそのような試婚により生まれた非嫡出子の子供である。特別抗告人は、代襲相続人として嫡出子側の相続人を相手取り、非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1と定めた民法900条4号但書の規定は法の下の平等を定めた憲法14条1項に反すると主張し、平等な割合による分割を求めて、遺産分割の調停を家庭裁判所に申し立てた。
    2.判旨(反対意見を含む)
    (1)本件でまず問題となったのは、14条1項の意味内容をどのように解釈するのかである。この点、本決定は、「憲法一四条一項は法の下の平等を定めているが、右規定は合理的理由のない差別を禁止する趣旨のものであって、各人に存する経済的、社会的その他種々の事実関係上の差異を理由としてその法的取扱いに区別を設けることは、その区別が合理性を有する限り、何ら右規定に違反するものではない(最高裁昭和三七年(オ)第一四七二号同三九年五月二七日大法廷判決・民集一八巻四号六七六頁、最高裁昭和三七年(あ)第九二七号同三九年..

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