第6章マレーシア

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    第6章 マレーシア <複合民族社会の経済発展>
     第一節 発展の軌跡
     第二節 新工業国への構造変動
     第三節 二〇二〇年ビジョンと産業構造高度化
     第四節 「バンサ・マレーシア」の形成
     第五節 多民族国家が抱える試練
    天然ゴムやスズ(一次産品)の生産・輸出で有名だったマレーシアは、現在工業品の輸出国へと大きく転換した。また1980年代後半から始まった高度成長は約10年続き、経済構造を変化させ、いまやNIESのすぐ後を追う地位にまで成長した。
    マレーシアは、マレー人(47%)と華人(26%)、インド人(8%)、その他先住民(12%)などから構成された典型的な多民族国家であり、その開発政策は複雑な多民族社会の問題に大きく影響されるのが通常である。しかし今日のマレーシアには特有の政治的不安と経済的混乱は少なく、経済成長を実施しながら、かつ種族別経済格差是正も行う開発政策が注目を浴びている。
     69年にマレー人と華人との間で勃発した最大規模の種族暴動(五・一三事件)を契機に、「新経済政策」(NEP)が導入された。これは「ブミプトラ政策」とも言われ、マレー人を中止としたブミプトラの商工業部門への進出促進を行うことで種族間の経済的不均衡を是正しようとするものであった。
     また、マレーシア政府は「二〇二〇年までにマレーシアを先進国社会にする」という『二〇二〇年ビジョン』を政策目標に掲げ開発を推進している。この章では多民族国家マレーシアの工業化推移と開発政策の大きな流れについて検討したいと思う。
    第一節 発展の軌跡
     1 一次産品経済からの出発
    マレーシアはイギリスによる長期植民地統治において、スズと天然ゴムを中心とする一次産品の輸出に依存した経済構造が形成されていた。スズ鉱山には華僑労働者を、天然ゴム農園にはインド人を大量に使うことでマレーシアは、典型的な多民族国家を形成するようになった。一方、ブミプトラ(土着の民)であるマレー人およびその他の先住民族は稲作・農業に従事したままであり、種族別に経済機能が分化し、経済的格差が生じるとういう構造になってしまった。
     独立後のマレーシアは農業・農村開発において民生安定と貧困対策を行い、一次産品輸出の多様化として、原油・パーム油・木材・液化天然ガス(LNG)を加わることで、60年代にはスズと天然ゴムで輸出全体の80%
    を占めていたのが、結果、80年代までに輸出量世界一を誇る一次産品を五つも抱える国へと成長した。
     しかし、60年代からの高い人口増加率にともなう新規労働者の雇用吸収という点で一次産品セクターは限界があり、早急な工業化推進が必要でもあった。
     2 工業化政策の導入
     マレーシアにおける工業化の進展段階は四つに分けられる。
    第一期は60年代の「輸入代替工業化」時代である。しかし、国内市場が狭く成長は早くも限界に達し、失業問題が深刻化してきた。そのため雇用吸収という観点から労働集約的な輸出産業を促進する必要性があった。
     67年に導入した「投資奨励法」のほか、71年の自由貿易地域法(FTZ)と電子産業特別奨励措置、72年の保税工場制度(LMW)などの創出によって、70年代から第二期の輸出志向工業化が本格化した。特にFTZの創設はマレーシアの輸出工業化を象徴している。なぜならば「新経済政策」の狙いと労働集約型産業輸出工業化の推進がセットになっているからである。このFTZ導入の結果、70年代早くもマレーシアが日本、アメリカについで世界第三位の半導体輸出基地となり、80年までには電気・電子の輸出が工業製品の半分近

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    第6章 マレーシア <複合民族社会の経済発展>
     第一節 発展の軌跡
     第二節 新工業国への構造変動
     第三節 二〇二〇年ビジョンと産業構造高度化
     第四節 「バンサ・マレーシア」の形成
     第五節 多民族国家が抱える試練
    天然ゴムやスズ(一次産品)の生産・輸出で有名だったマレーシアは、現在工業品の輸出国へと大きく転換した。また1980年代後半から始まった高度成長は約10年続き、経済構造を変化させ、いまやNIESのすぐ後を追う地位にまで成長した。
    マレーシアは、マレー人(47%)と華人(26%)、インド人(8%)、その他先住民(12%)などから構成された典型的な多民族国家であり、その開発政策は複雑な多民族社会の問題に大きく影響されるのが通常である。しかし今日のマレーシアには特有の政治的不安と経済的混乱は少なく、経済成長を実施しながら、かつ種族別経済格差是正も行う開発政策が注目を浴びている。
     69年にマレー人と華人との間で勃発した最大規模の種族暴動(五・一三事件)を契機に、「新経済政策」(NEP)が導入された。これは「ブミプトラ政策」とも言われ、マレー人を中止としたブミプトラの商工業部門..

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