高杉 良著 「あざやかな退任」

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    この本は、一流パーツメーカーの東京電子工業のワンマン社長石原が朝の常勤役員会になっても来なくて、心臓麻痺で急死していた場面からはじまる。社長が急死したので、次の社長が誰になるかを決めなければいけない。社内外からは、長年に亘り石原を支えてきた宮元副社長が後継と目されていた。さらに、忠実な番頭役として石原に仕えてきた副社長の宮本正男は悲しむ間もなく、後継社長を決めなければならなくなる。筆頭候補は唯一代表権を持つ自分であった。だが、筆頭株主の東亜電産社長の佐竹は専務として送り込んだ野村を社長に就任させ、東京電子工業の系列化を図るべく強引な根回し工作を仕掛け、役員は二つに分かれた。そして新役員人事を決定する告別式後の役員会がせまるなか、宮元の脳裏に思い切った作戦が思い浮かび実行する。はじめから結末がどうなるかわかっていて、それでもずっと新役員が誰になるかはらはらさせながら引っ張っていく面白さがあった。
    第一章は社長の急逝である。定刻の九時二十分を過ぎたのに東京電子工業の常勤役員会はまだ開かれていなかった。副社長の宮本正男が役員会議室から社長室までの十メートルほどの距離をつんのめるようにして走った。社長室に行く前に、取締役総務部長の黒川保と話をしたとおりに社長は書類を呼んでいる姿勢で座っていた。すでに石原の意識はなかった。石原が後継者として育ててきた企画・開発・技術担当常務の吉田敏明が、看護婦の指図で渾身の力をふりしぼるようにして心臓マッサージを施した。さらに宮元が無我夢中で石原の唇に自分の唇を密着させて、思い切り吸い込んだ息を送り込んだ。しかし石原の心臓は再びよみがえることはなく、医師に臨終を告げられた。それを聞いて、最初に動いたのは次の社長候補に名を上げる、筆頭株主の東亜電産の社員で専務の野村周造であった。

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    この本は、一流パーツメーカーの東京電子工業のワンマン社長石原が朝の常勤役員会になっても来なくて、心臓麻痺で急死していた場面からはじまる。社長が急死したので、次の社長が誰になるかを決めなければいけない。社内外からは、長年に亘り石原を支えてきた宮元副社長が後継と目されていた。さらに、忠実な番頭役として石原に仕えてきた副社長の宮本正男は悲しむ間もなく、後継社長を決めなければならなくなる。筆頭候補は唯一代表権を持つ自分であった。だが、筆頭株主の東亜電産社長の佐竹は専務として送り込んだ野村を社長に就任させ、東京電子工業の系列化を図るべく強引な根回し工作を仕掛け、役員は二つに分かれた。そして新役員人事を決定する告別式後の役員会がせまるなか、宮元の脳裏に思い切った作戦が思い浮かび実行する。はじめから結末がどうなるかわかっていて、それでもずっと新役員が誰になるかはらはらさせながら引っ張っていく面白さがあった。
    第一章は社長の急逝である。定刻の九時二十分を過ぎたのに東京電子工業の常勤役員会はまだ開かれていなかった。副社長の宮本正男が役員会議室から社長室までの十メートルほどの距離をつんのめるようにして走っ..

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