【早稲田大学】古代インドに関する考察

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    資料紹介

    インド亜大陸では、言語と宗教において多様性があるとされている。インド亜大陸の総面積はおよそ449万平方キロメートルで、日本の約12倍、ロシアを除いたヨーロッパの面積にほぼ等しい。したがってインド亜大陸が多様性を持つのは、当然といえるかもしれない。しかしながらインド亜大陸を外側から見ると、独自の文化をもった統一的世界を形成している。インド亜大陸に一体性を与えている要素としては、ヒンドゥー教とカースト制度が特に重要とされている。本書の各章では「これらの宗教と社会制度はインド史の流れのなかでいかにして成立し、発達してきたのか」ということに配慮しつつ、古代インドの文明と社会を眺めている。
     ここでは「インダス文明の謎」にしぼってまとめていこうと思う。「前1500年ころ移住してきたアーリヤ人がすぐれた文化を未開野蛮なインドに持ち込み、かれらによって生み出された」とされていた古代文明の常識は、1921年にインド人考古学者サハニの青銅器時代の都市遺跡の発見をきっかけに覆されることとなった。前2300年ころに興ったとされるインダス文明の発見は、非アーリヤ先住民がインド文化の形成の上に果たした役割を見直す必要性をも示している。
     インダス文明の起源について謎を解くために、ここでは近年のフランス考古学者調査隊の発掘したメヘルガル遺跡の様子が述べられている。この遺跡の住民は、すでに前6000年までには穀物の栽培と家畜の飼育を始めており、前4000年紀(前4000年〜前3000年)には銅を使用し、ロクロを用いて土器を作っている。また、前3000〜前2600年の層からは、印章、上質土器、男女のテコラッタ像など原ハラッパー文化のものといえるような遺物が出土している。しかしながら、この集落は、前2500年こと突然放棄されてしまう。本書ではこのような発掘結果から一つの仮説を提示している。

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    古代インドについての考察
    インド亜大陸では、言語と宗教において多様性があるとされている。インド亜大陸の総面積はおよそ449万平方キロメートルで、日本の約12倍、ロシアを除いたヨーロッパの面積にほぼ等しい。したがってインド亜大陸が多様性を持つのは、当然といえるかもしれない。しかしながらインド亜大陸を外側から見ると、独自の文化をもった統一的世界を形成している。インド亜大陸に一体性を与えている要素としては、ヒンドゥー教とカースト制度が特に重要とされている。本書の各章では「これらの宗教と社会制度はインド史の流れのなかでいかにして成立し、発達してきたのか」ということに配慮しつつ、古代インドの文明と社会を眺めている。
     ここでは「インダス文明の謎」にしぼってまとめていこうと思う。「前1500年ころ移住してきたアーリヤ人がすぐれた文化を未開野蛮なインドに持ち込み、かれらによって生み出された」とされていた古代文明の常識は、1921年にインド人考古学者サハニの青銅器時代の都市遺跡の発見をきっかけに覆されることとなった。前2300年ころに興ったとされるインダス文明の発見は、非アーリヤ先住民がインド文化の形...

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