唾液アミラーゼの活性

閲覧数5,846
ダウンロード数19
履歴確認

    • ページ数 : 12ページ
    • 全体公開

    資料紹介

    種々の緩衝液及び唾液のpH測定とデンプン粒子の観察を行う

    資料の原本内容

     
    唾液アミラーゼの活性の測定
     
    H17.11月01日
    11月08日
    11月15日
    11月22日
    zk04006  
    赤松・洗川・飯吉・磯林
    1班市川 裕子  
    唾液アミラーゼ活性の測定Ⅰ
    [目的]・・・種々の緩衝液及び唾液のpH測定とデンプン粒子の観察を行う
    緩衝液、唾液のpH測定
    [溶液、器具]
    2M酢酸緩衝液
    2Mリン酸緩衝液
    唾液
    pHメーター、水、洗浄瓶
    50mlビーカー、メスピペット
    [方法]
    ①唾液の希釈
    100mlのビーカーに唾液を5mlほど取った。
    50mlのビーカーに水をメスピペットで27ml加えた。
    2のビーカーに唾液をホールピペットで3ml加えガラス棒でよく混和した。
    ②pHの測定
    電極を水で洗浄しティッシュペーパーで軽く水を拭き取った。
    酢酸緩衝液、リン酸緩衝液のpHを測定し、ラベルをした。
    ラベルしたサンプルは実験台中央に一列に並べた。
    同様に唾液のpHを測定した。
    pH測定を終えたら、電極を水でよく洗浄した。
    デンプン粒子の観察
    [溶液、器具]
    10%馬鈴薯デンプン溶液、10%小麦デンプン
    ヨウ素液
    パスツールピペット、ニップル
    スライドグラス、カバーグラス
    濾紙、顕微鏡、ピンセット
    [方法]
    薬包紙を用いて各デンプンを100mg測り取り、エッペンドルフタイプのチューブに移した。
    1mlメスピペットを用いて水を加えた。
    パスツールピペットを用いて溶液を懸濁し、沈殿している馬鈴薯デンプンをパスツールで一滴、スライドガラスに落とした。
    ヨウ素液をスポイトで一滴、デンプン溶液の上に落とし、パスツールピペットの先でそっと混ぜた。
    ピンセットでカバーガラスをのせ余分な液を濾紙で取り除いた。
    小麦デンプンについても同様に行った。
    顕微鏡でそれぞれのデンプン粒子を観察し、比較した。
    [結果]
    緩衝液のpH・唾液のpH測定
    唾液を10倍に希釈した溶液をpHメーターで測定すると6.12であった。
    緩衝液1は5.47で5.5に近かった。
    緩衝液2は7.53で7.5に近かった。
    緩衝液3は6.54で6.5に近かった。
    緩衝液4は7.93で8.9に近かった。
    緩衝液5は4.96で5.0に近かった。
    緩衝液6は6.05で6.0に近かった。
    緩衝液7は6.99で7.0に近かった。
    緩衝液8は4.48で4.5に近かった。
    デンプン粒子の観察
    10%馬鈴薯デンプンを倍率1000倍の顕微鏡で見てみると、大きさは均一ではなく、大きいのや小さいのが混じりあっていた。色は茶褐色であった。また、楕円、円の形をしていた。
    10%小麦デンプンを倍率1000倍の顕微鏡で見てみると、大きさは馬鈴薯デンプンと比べると小さく、ピンクと薄茶を足して割ったような色をしていた。また、形は円であった。
    [考察]
    デンプン(澱粉、Starch)とは、分子式(C6H10O5)n の炭水化物(多糖類)で、多数のα-グルコース分子がグリコシド結合によって重合した天然高分子である。構成単位であるグルコースとは異なる性質を示す。種子や球根などに多く含まれている。
    高等植物の細胞において認められるデンプンの結晶(澱粉粒)やそれを取り出して集めたものも、一般にデンプンと呼ばれる。澱粉粒の形状や性質(特に糊化特性)は起源となった植物の種類によりかなり異なる。
    分子の構造
    デンプンはその構造によってアミロースとアミロペクチンに分けられる。アミロースは直鎖状の分子で、分子量が比較的小さい。アミロペクチンは枝分かれの多い分子で、分子量が比較的大きい。アミロースとアミロペクチンの性質は異なるが、デンプンの中には両者が共存している。デンプンの直鎖部分は、グルコースがα1-4結合で連なったもので、分岐は直鎖の途中からグルコースのα1-6結合による。アミロースはほとんど分岐を持たないが、アミロペクチンは、平均でグルコース残基約25個に1個の割合でα1-6結合による分枝構造をもつ(直鎖部分の長さは18~24残基、分岐間は5~8残基の間隔がある)。なお、動物における貯蔵多糖として知られるグリコーゲンはアミロペクチンよりもはるかに分岐が多く、3残基に一回の分岐(直鎖部分の長さは12~18残基、分岐の先がさらに分岐し、網目構造をとる)となり、アミロースやアミロペクチンとは区別される。トウモロコシの種子などでもこのグリコーゲンの顆粒が存在する。 α-グルコース分子が直鎖状に重合している部分は、水素結合によりα-グルコース6個で約1巻きのラセン構造となっている。また、ラセン構造同士も相互に水素結合を介して平行に並び、結晶構造をとる。分子は二重螺旋状態での結晶と、一重螺旋状態での結晶を作りうる。まず二重螺旋状態の結晶には、お互いのグルコース残基上の水酸基同士で直接水素結合を形成するタイプ(A型。コーンスターチなどの穀類由来のものがこの形。)、間に水分子一層をはさむタイプ(B型と呼ぶ。馬鈴薯などの根茎・球根由来のものがこの型。)と、両者の混合したタイプ(C型。根由来のもの)がある。また一重螺旋状態の結晶はV型と呼ばれ、天然ではデンプン顆粒に含まれる油脂成分がアミロースの一重螺旋のなかに包接された、包接錯体として存在している
    馬鈴薯澱粉
    いわゆる、片栗粉(本来は、カタクリの地下茎から採取した澱粉を指す言葉であったが、近年市販されている片栗粉と呼ばれるもののほとんどは馬鈴薯澱粉となっている。)。 アミロース含量20-25%。 粒径2-80µm、平均粒径30-40µmと、市販澱粉の中で最大の粒形となっている。澱粉としてはリン酸の含量が多い。 加熱時の糊化温度は低く、膨潤力、溶解力が強い。 透明で粘着力が強い糊液が得られる。糊化時の糊液の粘度は非常に高い。ただし、粘度の安定性は乏しい。 食塩等の塩類により糊化の状態が大きく変化する。塩の存在下では、糊化が抑制され、糊液も離水しやすくなる。糊化に用いる水の水質、あるいは調味により容易に糊化が抑制されるため、扱いが難しいといわれる
    小麦澱粉
    アミロース含量25%。 粒径2-40µm、平均粒径15-40µmからなる大粒と2-10µmからなる小粒からなり、粒子は凸レンズ型。 品質のばらつきが多く、多くの製造所で粒度区分と純度に従って等級を指定している。 大粒子区分を生成した特級品では糊化温度が低く、冷却時の粘度が高くなる。 他の澱粉と比較して、糊化時の粘度はやや低いが、冷却時粘度が高く、ゲル化能力が高い。糊液の年度安定性は良好で、老化しにくく、離水も少ない。 水産練り製品、菓子などで、粘調剤として利用されており、一般的には浮き粉と称されている。
    唾液
    唾液(だえき)とは、唾液腺から口腔内に分泌される分泌液。水、電解質、粘液、多くの種類の酵素からなる。唾(つば、つばき)とも言う。唾液は、唾液腺より分泌される。正常では一日1~1.5リットル程度(安静時唾液で700~800ミリリットル程度)分泌される。成分の99%以上が水分であり、無機質と有機質が残りの約半分ずつを占める。
    デンプンをマルトース(麦芽糖)へと分解するα-アミラーゼを含む消化液として知られる他、口腔粘膜の保護や洗浄、殺菌、抗菌、排泄などの作用を行い、また緩衝液としてpHが急激に低下しないように働くことで、う蝕の予防も行っている。
    空腹時に食物を見、これを咀嚼した時、粘り気の少ない漿液性の唾液が大量分泌され、これにより食物は湿らされる。このことにより粉砕しやすくなり、食塊の形成や嚥下を容易にする。嘔吐の前兆として苦味のある唾液が大量分泌される。これは嘔吐物に水分を補給して排出しやすくするための働きと考えられる。
    アミラーゼ
    アミラーゼはデンプンやグリコーゲンに作用して、α-1,4-グルコシド結合やα-1,6-グルコシド結合の加水分解を触媒する酵素の総称。
    デンプンの構造は、幾つものD-グルコースがα-1,4結合のみによって形成される直鎖状のアミロースと、α-1,4結合を主体とするが、所々にα-1,6結合で枝分かれした側鎖を持つ分枝状のアミロペクチンとがある。
    ・α-アミラーゼ・・・この酵素はデンプン、グリコーゲンなどの任意の位置から、α-1,4グリコシド結合をちょうどグルコース5個分を1単位として、ランダムに切断するエンド型の酵素で、デキストリンやオリゴ糖、マルトースを生成する。枝分かれの1,6結合の部分には作用しにくいので、小さな限界デキストリンが残る。また、デンプン糊にこの酵素が働くと、急激に粘度が低下するので液化アミラーゼとも呼ばれる。
    ・β-アミラーゼ・・・デンプン鎖の非還元末端より、マルトース単位で正確に1,4-グリコシド結合を切断する。1,6結合の分岐点で働きが止まり、それ以降は加水分解されないので、大きな限界デキストリンが残る。
    ・iso-アミラーゼ・・・分岐点の1,6結合のみを分解する。私たちの消化液中にも少量含まれる。
    アミロースとは、多数のα-グルコース分子がグリコシド結合によって重合し、直鎖状になった高分子である。アミロペクチンと同じくデンプン分子であるが、形状の違いにより異なる性質を持っている。デンプンに含まれるアミロースは完全な直鎖ではなく、1分子あたり5 - 20個程度の分岐がある。分枝の鎖長はグルコース残基で3 - 20程度と短いものが多い。通常のデンプンには20%ほど含まれるが、トウモロコシの中には、このアミロース含量を80%程度にまで上げた品種もある(高アミロースデンプン)。
    ・アミロペクチンと異なり、熱水に溶ける。
    ・分子量は5×105から2×106程度(グルコース残基で3,000から12,000...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。