京都府学連事件最高裁判決について

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    3. 最高裁判決の概要
     最高裁は、上告を棄却し、訴訟費用は被告人の負担とした。その理由を以下に検討する。
    (一) まず、昭和29年京都市公安条例第10号集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例が、憲法21条に違反するという主張については、ほぼ同じ内容を持つ東京都公安条例に関する昭和35年7月20日大法廷判決を引き合いに出し、これを変更する必要を認めないとして論旨を排斥している。
    (二) 次に、京都市公安条例に違反した場合指導者等を処罰できることを定めているのは、白地刑法を禁止している憲法31条に違反するという主張に対しては、当該条例は取締当局がほしいままに条件を定めることを許しているものではなく、犯罪の構成要件が所論のように規定されていないとか不明確であるとかいうことはできないから、違憲の論旨は前提を欠くとして退けた。
    (三) そして、本件写真撮影は憲法13条によって保障されているプライバシーの権利の一つである肖像権を侵害するし、相手方の意思に反し令状なしで撮影した行為を適法とした原審の判断は憲法35条にも違反するとの主張については、次のように判示して上告を棄却している。
     (1) まず判旨は、憲法13条は国民の私生活上の自由が国家権力の行使に対しても保護されるべきことを規定していることを確認し、当該自由の一つとして「何人も、その承諾なしにみだりにその容ぼう・姿態(以下「容ぼう等」という。)を撮影されない自由を有するものというべきである。これを肖像権と称するかどうかは別として、少なくとも、警察官が、正当な理由もないのに、個人の容ぼう等を撮影することは、憲法13条の趣旨に判旨、許されない」との原則論を述べている。
      

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    憲法Ⅰ
    【京都府学連事件最高裁判決について】
    1. 事実の概要
    被告人は当時、京都市内の大学生であり、昭和37年6月21日に行われた京都府学生自治会連合会主催の集団行進示威運動(デモ)に参加し、先頭集団の列外に位置して行進していた。
    デモ隊が、京都府公安委員会が京都市公安条例に基づいて付した許可条件及び京都府中立売警察署長道路交通法77条に基づいて付した条件に外形的に違反する行進を行ったため、あらかじめ許可条件違反等の違法状況の視察、採証の職務に従事することを命ぜられていた警察官が、違法な行進の状態及び違反者の確認のため、歩道上から被告人を含むデモ隊の先頭部分の行進状況を写真撮影した。
     被告人はこれに対して抗議し、デモ隊員の持っていた旗竿で警察官に全治一週間の傷害を負わせたため、傷害及び公務執行妨害罪で起訴された。
    2. 下級審及び原審の判決概要
    (一) 第一審京都地裁は、警察官の写真撮影は適法な公務執行にあたらないという被告人の主張を退け、有罪判決を下した。
    (二) 控訴審大阪高裁判決も、本件写真撮影は、違反者またはデモ行進者に物理的強制力を加えたり受忍義務を負わせない限り、刑事訴..

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