純愛小説としての「1973年のピンボール」

閲覧数1,352
ダウンロード数7
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

     今回作品を扱うのは、第二回目だということもあり作品の概要などは省略する。前回の内容を踏まえた上で、私自身の作品に対する視点で読み解いていく。
    ?視点
     タイトルからも分かると思うが、私はこの作品を「純愛小説、愛の物語」だと位置づけている。主人公は大きく分けて二人、「僕」と「鼠」。
    ?キーワード
    直子
    「僕」の元彼女。作品中には「死んだ」となっている。しかし、別れたことで「僕」が二人の仲が「死んだ」=「僕」のなかの「直子」が「死んだ」という受け取り方も可能である。
    違和感
     「僕」が違和感を感じた時、「双子」が登場する。
    双子
     「僕」の想像、幻想。愛の喪失を救うもの。
    入口と出口
     「風の歌を聴け」では「ON」と「OFF」。作品中にでてくる言葉で、物事に必要なことだと述べている。「僕」も「鼠」も最終的には、恋の迷い道から出口を見つける。
    古い配電盤
     「僕」と「双子」は、この配電盤の葬式を行う。底の深い貯水池に配電盤を投げ込む。そのときに「僕」は、「哲学の義務は…誤解によって生じた幻想を除去することにある。…配電盤よ貯水池の底に安らかに眠れ。」という言葉で配電盤への祈りを捧げる。ここに1つの「僕」の心の変化が感じられる。
    ピンボール(スペースシップ)
     メインキーワードである。「僕」にとっての心の支えであったと共に、「直子」でもある。「僕」は恋をしていた。その恋は幻想であり、傷を癒してくれるものだった。スペースシップは旧式のピンボールだという所もポイントである。そして、作品中唯一、「僕」と「鼠」をつなぐものだ。
    ジェイ
     「鼠」が大学を辞めてから、唯一関わる人間。ジェイズ・バーの店主。
    大学
     「鼠」にとって、大学とは「女」なのではないかと思う。「お互い好きになれなかったんだ。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    純愛小説としての「1973年のピンボール」
                            
     今回作品を扱うのは、第二回目だということもあり作品の概要などは省略する。前回の内容を踏まえた上で、私自身の作品に対する視点で読み解いていく。
    ➀視点
     タイトルからも分かると思うが、私はこの作品を「純愛小説、愛の物語」だと位置づけている。主人公は大きく分けて二人、「僕」と「鼠」。
    ➁キーワード
    直子
    「僕」の元彼女。作品中には「死んだ」となっている。しかし、別れたことで「僕」が二人の仲が「死んだ」=「僕」のなかの「直子」が「死んだ」という受け取り方も可能である。
    違和感
     「僕」が違和感を感じた時、...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。