ARIMAモデルによる効率的市場仮説の検証

閲覧数2,261
ダウンロード数12
履歴確認

    • ページ数 : 12ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    ? はじめに
     Fama[1970]は、「市場が利用可能な全ての情報を正しく反映するとは、過去及び現在の情報を価格が全て正しく反映しているという事であり、将来起こりうる価格の変化は、現在入手する事の出来ない新しい情報によって引き起こされる事になる。新しい情報はランダムに発生すると考えられるので、市場が効率的であれば、価格変化もランダムにならなければならない。」と述べている。これは、言い換えれば、利用可能な情報を全て用いたとしても、将来の変動予測をすることが不可能であるというもので、変動はランダムウォークであると言える。この効率的市場仮説の1つである弱度効率的市場仮説とは、過去の変動から将来の変動予測をする事が不可能であるというものであるが、実際にそのように言い切れるかを検証する事が本稿の目的である。検証法には様々なものが存在するが、本稿では時系列解析法の1つであるARIMA(Auto-regressive Integrated Moving Average)過程を推定し、そのモデルの有意性を検定する事で、仮説自体を棄却出来るかを調べている。
     以下、?章ではARIMA過程の基礎となるAR(Auto-regressive)、MA(Moving Average)、ARMA(Auto-regressive Moving Average)を紹介すると共に、定常性の概念と、定常性が確認されない時系列過程を定常過程へと加工する手法を紹介している。?章では、?章で取り上げた加工法により、実際のデータを加工し、?章では、統計ソフトRを利用することで、ARIMA過程を推定し、その有意性について検定している。?章では前章までを踏まえて、仮説の検証を行い、結論としたい。
    ? ARIMA(Auto-regressive Integrated Moving Average)過程とその周辺            
     本章では、ARIMA過程を理解するにあたって、その基礎となる時系列モデルについて説明する。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    ARIMAモデルによる弱度効率的市場仮説の検証
    概要
     本稿は、日本円と米国ドルとの一日毎の為替レートの時系列データを用いて、ARIMA過程を推定する事で、弱度効率的市場仮説の有意性を検証している。本稿では、統計ソフトの中から、Rを用いた。扱う時系列は非定常時系列過程であるため、差分操作を行い定常時系列過程に変換してARIMAモデルを推定した。推定モデルの検定の結果、そのモデルは十分有意で、弱度効率的市場仮説は有意でないという結論が得られた。
    Ⅰ はじめに
    Ⅱ ARIMA(Auto-regressive Integrated Moving Average)過程とその周辺
    ⅰ AR(Auto-regressive)過程とMA(Moving Average)過程
    ⅱ ARMA(Auto-regressive Moving Average)過程
    ⅲ 定常性(Stationarity)とARIMA過程
    Ⅲ データとその加工
    ⅰ 定常性の検定
    ⅱ データの加工
    Ⅳ ARIMA過程推定
    ⅰ AIC(Akaike’s Information Criterion)による次数導出
    ⅱ ARIMA過程推定...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。