周縁的身分とその形成

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     これまで高校の日本史教科書は1977年と1989年、1998年の三度の改訂が行われました。今からその教科書変更箇所をピックアップし比較することで、歴史研究動向を探っていきたいと思います。
     まず1977年(以下N)と1989年(以下O)に関して比較していきます。この二つが特に歴史研究の進展による内容の変化がみられ、この間に身分の把握が大きく転換したと言えます。教科書記述変化をみてみると、まずタイトルが「士農工商」から、「身分秩序」となっているのが分かると思います。士農工商というと、普遍的な四つの身分として存在しているという意味合いにとれますが、実際は武士・百姓・職人・商人は、地域や時期により異なった身分集団としてそれぞれ独自な個性をもって存在していたのです。この教科書での士農工商は支配者によってつくられたものであり、ただそれを上から眺めて分類的にとらえたにすぎないのでタイトルとして不適切となったのではないかと考えられます。また、周縁身分の形成に関する歴史研究の進展により、周縁身分の存在が士農工商というだけには収まりきれなくなったとも考えられます。
     周縁身分とその形成について、参考文献として、朝尾 直弘著の「日本の近世〜身分と格式」を用い、その内容を簡単にまとめてみました。「職分」はいわば社会的に公認された職業分野であり、体制化された分業といえます。そこには上から課される役負担があると同時に職業に伴う利益などの特権を得ることができ、これがひとつの社会原理となっていました。それゆえ、社会的分業が発展したことにより新しい分野が生まれ、昔からの分野を細分化していきました。すると、そこからはみ出した集団がこの新しい社会原理に基づき、農耕とも商工とも異なる自分たちの生業・職能のアイデンティティを主張し始め、権利、事実の実証だけでなく、天皇や公家・寺社などの結びつきを由緒として申しだて、正当性の証としました。

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    タイトル 1977年(以下N) 1989年(以下O) 「士農工商」 「身分秩序」 ①士農工商というと、普遍的な四つの身分として存在しているという意味合いにとれる。
    ➞しかし、実際は武士・百姓・職人・商人は、地域や時期により異なった身分集団としてそれぞれ独自な個性をもって存在。
    *この教科書での士農工商は支配者によってつくられたものであり、ただそれを上から眺めて分類的にとらえたにすぎないのでタイトルとして不適切ではないか。 
    ②周縁身分の存在により士農工商という身分だけには収まりきれない。
    ➞周縁的身分の形成に関する歴史研究の進展による。
    周縁身分とその形成
    「職分」:社会的に公認された職業分野であり、体制化された分業
    *上から課される役がある&職業に伴う利益などの特権を取得できる


    社会的分業発展・・・新しい分野を生み、旧来の分野を細分化


    はみだした集団が新しい社会原理に基づいて、農耕とも商工とも異なる
       自分たちの生業・職能のアイデンティティを主張!


         権利・事実の実証だけでなく、天皇や公家・寺社などの権威との結びつき   を由緒として申し立て正当性..

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