「テス」における内在意志及びダーウィニズムとイデオロギー

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     これほどまでに主人公が悲劇に見舞われ翻弄される物語が他にあるだろうか。圧倒的な陰鬱さと絶望感を持ったこの作品において、主人公Tessを苦しめる2つの大きな要因と、それを表現することで作者が何を伝えようとしたのかを考えていく。
     一つ目の要因についてまず言及しなくてはならないのはthe immanent will(=内在意志)という概念である。内在意志とは、人間個人の意志などでは到底抗いようのない、この世界を動かす目に見えないおそろしく強大な力のことを指す。内在意志の下では人間は木の葉のように翻弄され運命論的に思わぬ方向へと導かれてしまう。
    … in their fatalistic way: "It was to be."(77 25)
    All the while they were converging, under an irresistible law,…133 17
    …than a sense of condemnation under an arbitrary law of society…271 38
    like a corpse upon the current, in a direction dissociated from its living will.366 19 
    what must will come. 376 32
     これらの引用から、全ては定めであり人間の意志はそれに対してなんの抗力を持たないという世界の絶対的な性質を読み取ることができる。それがつまるところの、内在意志である。
    …she might have asked why she was doomed to be seen and coveted… 45 最後
    Why it was that upon this beautiful feminine … as it was doomed to receive;77 12
    There seemed to be no help for it; hither she was doomed to come. 274 4
     特に、これらの文中に見られるdoomという言葉は「運命」だけでなく「不運・破滅」などの意味も含有している。この言葉についてだが、“HAP”や“To an Unborn Pauper Child”などのハーディによって書かれた詩の中にもdoomster(=裁判官・doomを決定付けるモノ)として登場していることからやはりハーディの人生観の中には、前述した様な決して抗えない大きな力によって人間は翻弄され不運に見舞われるという考えが深く根付いていると言える。

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    「テス」における内在意志及びダーウィニズムとイデオロギー
    これほどまでに主人公が悲劇に見舞われ翻弄される物語が他にあるだろうか。圧倒的な陰鬱さと絶望感を持ったこの作品において、主人公Tessを苦しめる2つの大きな要因と、それを表現することで作者が何を伝えようとしたのかを考えていく。
    一つ目の要因についてまず言及しなくてはならないのはthe immanent will(=内在意志)という概念である。内在意志とは、人間個人の意志などでは到底抗いようのない、この世界を動かす目に見えないおそろしく強大な力のことを指す。内在意志の下では人間は木の葉のように翻弄され運命論的に思わぬ方向へと導かれてしまう。
    … in their fatalistic way: "It was to be."(77 25)
    All the while they were converging, under an irresistible law,…133 17
    …than a sense of condemnation under an arbitrary law of society…271 38
    like a ..

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