冷戦後の各国における軍需産業統合

閲覧数2,091
ダウンロード数6
履歴確認

    • ページ数 : 5ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    冷戦時代の主役は、アメリカとソ連であった。その両者が、冷戦後どのような軌跡をたどって今日にいたるのかを見ていく。
    ロシアの冷戦後の流れとしての特徴は、ソ連崩壊に伴う「資本主義化」と「非軍事化」の流れである。非軍事化は、軍事経済の縮小によって起こる。兵力の削減、武器生産の減少、軍事研究費の削減によるものである。冷戦後は、国家からの軍需産業への発注が減少し、それと同時に今まで受けてきた恩恵が取り払われた。具体的に言えば、武器生産のための資源の優先的配分、製品輸送などの交通システムの優先的使用権である。冷戦時代に受けてきたこのような、諸々の特権が取り払われたことで被る痛手は大きかった。軍需産業の変化は、ロシアが資本主義化へと向かうための、新しいシステム作りのための過程の中で起こった。今までの国家資本の投入の転換、つまり軍需から民需への転換といった、新システムつくりは資本主義化を意味し、受注と特権を失った軍需産業の増大は非軍事化を意味した。
    ソ連時代、軍需企業は国有企業であったが、一部の企業は株式会社化し、国家は株の大半を所有するもの、または私有企業として再編された。軍需企業は、国家が保有するものと、支配的株式所有によるもの、まったく国家所有から離れるものといった分かれ方をしていき、国家保有のものと国家管理から離れるものとの二分化が行われた。
    93年から2000年までの世界への武器供与は、米国、イギリス、フランス、ロシアの順になっている。順位でみると、ロシアはアメリカに及ばないが、プーチン政権移行費軍事化の停滞から、武器輸出へ傾いている。その主な取引先は、中国とインドである。両国とも主に、航空機と戦車を購入している。またその他の国として、西アジア各国が挙げられる。2000年には、中国が今後の自国での造船の参考として、ロシア製の老朽化した空母を購入した。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    冷戦後の各国における軍需産業統合
     本稿は冷戦終結後の、各国の軍需産業の再編成の過程を比較し、その流れの中での日米の軍需部門における協力関係をみていくものである。
     
    冷戦終結後のロシアの軍需産業
     冷戦時代の主役は、アメリカとソ連であった。その両者が、冷戦後どのような軌跡をたどって今日にいたるのかを見ていく。
    ロシアの冷戦後の流れとしての特徴は、ソ連崩壊に伴う「資本主義化」と「非軍事化」の流れである。非軍事化は、軍事経済の縮小によって起こる。兵力の削減、武器生産の減少、軍事研究費の削減によるものである。冷戦後は、国家からの軍需産業への発注が減少し、それと同時に今まで受けてきた恩恵が取り払われた。具体的に言えば、武器生産のための資源の優先的配分、製品輸送などの交通システムの優先的使用権である。冷戦時代に受けてきたこのような、諸々の特権が取り払われたことで被る痛手は大きかった。軍需産業の変化は、ロシアが資本主義化へと向かうための、新しいシステム作りのための過程の中で起こった。今までの国家資本の投入の転換、つまり軍需から民需への転換といった、新システムつくりは資本主義化を意味し、受注と特権...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。