『人魚の嘆き』における人魚の魅力

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    谷崎潤一郎作の『人魚の嘆き』は、大正6年に発表された作品である。谷崎潤一郎は関東大震災後、古典的な日本美を発見し古典回帰を深めていくが、それ以前は、道徳的功利性を廃して美の享受、形成を第一とする耽美主義的な作品を書いていた。また、初期作品には「悪魔主義」という、好んで醜悪・頽廃・怪異・恐怖などの中に美を見出そうとする傾向があった。『人魚の嘆き』にも、それが表れている。では主人公・世

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    主人公を惹きつける人魚の魅力
    ―『人魚の嘆き』より―
     谷崎潤一郎作の『人魚の嘆き』は、大正6年に発表された作品である。谷崎潤一郎は関東大震災後、古典的な日本美を発見し古典回帰を深めていくが、それ以前は、道徳的功利性を廃して美の享受、形成を第一とする耽美主義的な作品を書いていた。また、初期作品には「悪魔主義」という、好んで醜悪・頽廃・怪異・恐怖などの中に美を見出そうとする傾向があった。『人魚の嘆き』にも、それが表れている。では主人公・世燾を惹き付けた人魚の美の魅力とはいかなるものだったのか。
     人魚といえば西洋のものを考えがちだが、それはやはり日本で人魚を有名にしたのが、やはりアンデルセンの『人魚姫』だからだろう。『人魚姫』は1836年(天保7年)にハンス・クリスチャン・アンデルセンによって書かれた物語である。日本にその訳が入ってきたのはいつかはハッキリしないが、明治37年にはアンデルセン原作の『人魚物語』というのが、高須梅渓の訳によって書かれている。この作品は完全ではなかったようだが、『人魚姫』の読書界への最初の紹介といえるものである。谷崎が『人魚の嘆き』を書いたのはそれ以降なので、..

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