「東洋の不安」と「西欧の不安」との相違について考えてみなさい。

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    資料紹介

    1 不安の定義
     不安とは、様々な学説があるが、「不安の概念」を著した哲学者のキエルケゴールによると、欲求が実際の行動によって現実化しないときに生じる情緒であるといっている。つまり、ある願いがあり、うまくいくかいかないか見通しが立たない状態のことではないかと考える。
    2 西欧の不安
     キルケゴールは「どう生きるべきか、生き方をどう選ぶべきか」という問の答えを求め、全てのものは、主観的な存在の上に築かれる実存哲学をもった。彼は、大衆文化や科学の発展によって乱された信仰を嘆き、最終的には、生きるためには「信じること」が大切であると説いた。たとえば、未来の自分の姿を信じることで人生に意味を与えるべきだということである。
     その人生の生き方として、キルケゴールは人間は一方では肉体的、感覚的次元、他方では魂の次元、一方では時間の次元、他方では永遠の次元の緊張の中におかれており、感覚的次元に溺れ過ぎ、肉体と魂のバランスが崩れたときに生まれるのが不安であり、絶望に陥り、絶望体験を通じて自力本願の脆さを知った人間が、宗教的次元を発見したとき、絶望とは神を捨てた人間の弱さの現れだと悟り、神の慈悲にすがる決断に踏み切ることも可能になり、そこで肉体と魂、時間と永遠のバランスが回復される。キルケゴールの洞察はキリストの生きざまをなぞったものであるといえる。 

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    1 不安の定義
     不安とは、様々な学説があるが、「不安の概念」を著した哲学者のキエルケゴールによると、欲求が実際の行動によって現実化しないときに生じる情緒であるといっている。つまり、ある願いがあり、うまくいくかいかないか見通しが立たない状態のことではないかと考える。
    2 西欧の不安
     キルケゴールは「どう生きるべきか、生き方をどう選ぶべきか」という問の答えを求め、全てのものは、主観的な存在の上に築かれる実存哲学をもった。彼は、大衆文化や科学の発展によって乱された信仰を嘆き、最終的には、生きるためには「信じること」が大切であると説いた。たとえば、未来の自分の姿を信じることで人生に意味を与えるべき...

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