遠藤周作 『沈黙』のジュアンの殉教から探る神の姿とは

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    資料紹介

    遠藤周作によって書かれたこの『沈黙』は、キリスト教迫害の時代を舞台に、世間の宗教界から沈黙させられた者達、棄教した者を主人公に描いた小説である。主人公であるロドリゴは、神の存在とは、又その神の沈黙や、信仰の根源を問い続ける。その中でも、
    この箇所は、ロドリゴが役人に捕らわれ、ある町の牢舎に閉じ込められている時に起こった出来事が語られているところである。その出来事とは、ロドリゴが牢舎で共に神に祈りを捧げていた一人の百姓が、自分の目の前で役人に殺されるということである。この場面に視点を当て、

    ?この箇所の文体はどのような効果をあげていますか?
    ?遠藤が描く神の姿とは。又、ここで蠅を登場させたのは何故か?
    の二つのガイドクエスチョンについえ考えていきたい。
    この場面には、遠藤の考えに考え抜いた手法が巧みに使われている。片眼の男が役人によって殺される前と後では描写が全く異なっていている。前半は三人称で、役人と片眼の男の

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    沈黙コメンタリー                                                  
    遠藤周作によって書かれたこの『沈黙』は、キリスト教迫害の時代を舞台に、世間の宗教界から沈黙させられた者達、棄教した者を主人公に描いた小説である。主人公であるロドリゴは、神の存在とは、又その神の沈黙や、信仰の根源を問い続ける。その中でも、
    この箇所は、ロドリゴが役人に捕らわれ、ある町の牢舎に閉じ込められている時に起こった出来事が語られているところである。その出来事とは、ロドリゴが牢舎で共に神に祈りを捧げていた一人の百姓が、自分の目の前で役人に殺されるということである。この場面に視点を当て、
    ①この箇所の文体はどのような効果をあげていますか?
    ②遠藤が描く神の姿とは。又、ここで蠅を登場させたのは何故か?
    の二つのガイドクエスチョンについえ考えていきたい。
    この場面には、遠藤の考えに考え抜いた手法が巧みに使われている。片眼の男が役人によって殺される前と後では描写が全く異なっていている。前半は三人称で、役人と片眼の男の「のんびりとした会話」が客観的に書かれている。客観的に書かれ...

    コメント1件

    tdl0523 購入
    s
    2006/07/10 23:22 (17年9ヶ月前)

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