平安時代における色

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     物語・日記文学研究では乳母や召人、讃岐典侍や後深草院二条などの女性を中心に中古・中世を学びました。その中で、女性たちにとって身近な関心ごとというのは衣装、さらには衣服の色の組み合わせであったのではないかと思います。紫式部日記の「正月十五日 敦良親王御十五日の祝い」では、『その日の人の装束、いづれとなく尽くしたるを、袖口のあはひ悪ろう重ねたる人しも、御前の物とり入るとて、そこらの上達部、殿上人に、さしい出でてまぼられつることとぞ、のちに宰相の君など、口惜しがりたまふめりし。さるは悪しくもはべらざりき。ただあはひの褪めたるなり。小大輔は紅一襲、上に紅梅の濃き薄き五つを重ねたり。唐衣、桜。源式部は濃きに、また紅梅の綾ぞ着てはべるめりし。織物ならぬを悪ろしとにや。それあながちのこと。顕証なるにしもこそ、とり過ちのほの見えたらむ側目をも選らせたまふべけれ、衣の劣りまさりは言ふべきことならず。』とあり、衣服が悪口の種になっていることが分かる。また、源氏物語「玉鬘」の、源氏が妻たちに新年に装う晴れ着を送る場面では、紫の上に葡萄(赤紫)色の小袿・紅梅のうわぎ表着・濃い紅梅色のかさね、 明石の姫君には桜の細長・つややかな薄紅色のかさね、花散里には浅縹色の海賦の織物・紫色の練がさね、玉鬘には鮮やかな赤の袿・山吹の花の細長、末摘花には柳の織物に趣のある唐草を乱れ模様にした上品な表着、明石の上には梅の折枝・蝶や鳥のとびちがう織り文のある唐風の白い小袿・艶のよい濃紫のかさね 空蝉には青鈍色の趣深い織物の表着・光源氏の使い料をさいたくちなし色の袿・禁色でない薄紅色のかさね 、とそれぞれの年齢やイメージ、尊さなどから、それぞれの晴れ着が細かく設定されている。

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     物語・日記文学研究では乳母や召人、讃岐典侍や後深草院二条などの女性を中心に中古・中世を学びました。その中で、女性たちにとって身近な関心ごとというのは衣装、さらには衣服の色の組み合わせであったのではないかと思います。紫式部日記の「正月十五日 敦良親王御十五日の祝い」では、『その日の人の装束、いづれとなく尽くしたるを、袖口のあはひ悪ろう重ねたる人しも、御前の物とり入るとて、そこらの上達部、殿上人に、さしい出でてまぼられつることとぞ、のちに宰相の君など、口惜しがりたまふめりし。さるは悪しくもはべらざりき。ただあはひの褪めたるなり。小大輔は紅一襲、上に紅梅の濃き薄き五つを重ねたり。唐衣、桜。源式部は濃きに、また紅梅の綾ぞ着てはべるめりし。織物ならぬを悪ろしとにや。それあながちのこと。顕証なるにしもこそ、とり過ちのほの見えたらむ側目をも選らせたまふべけれ、衣の劣りまさりは言ふべきことならず。』とあり、衣服が悪口の種になっていることが分かる。また、源氏物語「玉鬘」の、源氏が妻たちに新年に装う晴れ着を送る場面では、紫の上に葡萄(赤紫)色の小袿・紅梅のうわぎ表着・濃い紅梅色のかさね、 明石の姫君には..

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