第三者所有物没収違憲判決

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    (1)事件の概要
    被告人は、他の者と共謀の上、衣料品等を機帆船厚陽丸に積み込み、韓国に密輸出しようとしたが、海上保安官に発見されて未遂に終わった。
    第一審判決は、右機帆船および貨物を没収し、第二審判決もこれを是認したが、これらはいずれも被告人以外の第三者の所有であった。
    弁護人は、善意の第三者の所有物を没収することは、憲法二九条に違反するし、また所有者の不知の間にその意見、弁解を聴くことなく、善意の第三者の所有物を没収しうるとする旧関税法の規定は、憲法三二条、三一条に違反すると主張した。
    これに対し最高裁は、旧関税法83条1項により、第三者に告知、弁解、防御の機会を与えずにその所有物を没収することは、憲法31条、29条に反すること、そして、被告人はこのことを理由として上告することができることを判断した。
    本判決は、本件と同時に言い渡された昭和30年(あ)第2961号事件の判決と全く同趣旨である。ただ、本件が旧関税法違反事件であるため、現行関税法に関する右判決とは別に、これを判例とするのが適当であるという理由で、判例集に登載されることとなったものである。
    2)事件の進行と当事者の関連図
    <事件の進行>
    昭和28年 5月18日:被告人国弘軍二は、自宅において林秀次郎と韓国に衣料品等を密輸出するため、運送船を求めて宇部港で右を船積して白鳥付近に廻送すること並びに右林において朝鮮行きの別船を求めて同所付近に待機させ、同所で右を積替えて密輸出しようと共謀した。
    21日:宇部港において所轄税関の免許を受けることなく貨物85梱包を機帆船厚陽丸に積込み、出港した。

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    第三者所有物没収違憲判決
    昭和30年(あ)第995号、同37年11月28日大法廷判決
    刑集16巻11号1577頁
    groundnut
    (1)事件の概要
    被告人は、他の者と共謀の上、衣料品等を機帆船厚陽丸に積み込み、韓国に密輸出しようとしたが、海上保安官に発見されて未遂に終わった。
    第一審判決は、右機帆船および貨物を没収し、第二審判決もこれを是認したが、これらはいずれも被告人以外の第三者の所有であった。
    弁護人は、善意の第三者の所有物を没収することは、憲法二九条に違反するし、また所有者の不知の間にその意見、弁解を聴くことなく、善意の第三者の所有物を没収しうるとする旧関税法の規定は、憲法三二条、三一条に違反すると主張した。
    これに対し最高裁は、旧関税法83条1項により、第三者に告知、弁解、防御の機会を与えずにその所有物を没収することは、憲法31条、29条に反すること、そして、被告人はこのことを理由として上告することができることを判断した。
    本判決は、本件と同時に言い渡された昭和30年(あ)第2961号事件の判決と全く同趣旨である。ただ、本件が旧関税法違反事件であるため、現行関税法に関する右..

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