カナダ投資審査法について

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    1)はじめに、1979年カナダ投資審査法制定時前後の、カナダを取りまく国際・国内経済情勢を考慮に入れた上での、この種の法に対する実質的な観点と理念的観点からの要請についての私見を簡単に記述する。 
    まず、カナダ経済の特色は圧倒的に広い国土と殆ど全てのカテゴリーの天然資源を有しながら(開発余地=固定資本投下余地・需要が大きいということ!!)、人口は1500万足らずで慢性的な資本・人口不足あるといえる。しかし、1970年代半ばまでは旧宗主国イギリスを盟主としたスターリング経済圏が維持されており、その範囲内で経済運営をしていたと考えられる。そんな折、本国イギリスで1978年にサッチャー政権が誕生し、徹底した自由化と旧植民地とのしがらみ排除により、カナダ経済も自助努力により海外からの投資を迎え入れる必要性を迫られた。ただ、当時は現在と異なり、国境を越えて資本が自由に動き回るということが「常識」としても「正義」としても認識されてはいない。それどこらか、植民地時代や植民地資本の接収といった記憶も色濃く残っていたはずである。より、現在よりも自国経済は自国の主権の実質的影響下にあるべきだという理念も現在よりも強かったと考えられる。
    そうした情勢からこの種の法規のコンセプト(建前でなく本音)として考えられるものは
    「海外からの投資はのどから手が出るほど欲しいが、自国主権の自国経済の実質的運営への影響力は保ちたい。GATT等の規制にひっかからないように!!」
    以外に考えられない。以上がカナダ投資審査法とそこから生じる摩擦とを考える前提となる。
     
    2)カナダ投資審査法(Forigenn Invesutomennt Rivew Act)の内容として定められていることは要約すると次のようなものである。
    ・投資案件は事前に申請する必要がある
    ・審査!?の上カナダ経済に<実質的な利益>をもたらすと判断する投資案件は許可する
    ・<実質的な利益>の内容については参考程度に記載している
    当該法律自体は投資申請企業に対して何らの具体的義務は課さない
    <実質的利益実現>のために投資申請主体に購買、製造、輸出に関しての<自発的>約束(アンダーテイキング)を勧めている
    投資許可時には当該アンダーテイキングは法的に申請主体を拘束する
    「新国際投資法」桜井雅夫著参照
    つまり、文面上何らの具体的義務も課していないため、あくまで文面上はGATT規定にも反していない。しかし実質上は許認可権を盾に申請主体の自発的意思という形、そして許可後の申請主体とカナダ政府との一対一での<約束>という形により自国経済にきわめて有利な内容を引き出すことを意図した法律であるといえる。よりこれん関連する係争としては、この法律を文面上解釈してGATTの関連の規定に適合すると判断すべきか、投資主体への実質的影響力で解釈してGATTの関連の規定に違反している(脱法行為である)と判断すべきかという点が核となってくるはずである。
    1982年3月19日アメリカ政府は当該法律の運用についてGATTに基づいて問題を締約国団に付託した。同月31日、理事会はパネル(小委員会)を設置し、1984年2月報告書を採択した。パネルの結論は次のとうりであった。
    1)国産品使用要請の問題
     A カナダ原産の産品を輸入品に優先して若しくは一定の額若しくは比率を購入すること又はカナダの供給者から購入することを求めること(文面上に義務としては求めていない)
    「アメリカの主張」 
     輸入品を国内原産品よりも有利でない取り扱いをすることは、GATT第3条4項に

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    1)はじめに、1979年カナダ投資審査法制定時前後の、カナダを取りまく国際・国内経済情勢を考慮に入れた上での、この種の法に対する実質的な観点と理念的観点からの要請についての私見を簡単に記述する。 
    まず、カナダ経済の特色は圧倒的に広い国土と殆ど全てのカテゴリーの天然資源を有しながら(開発余地=固定資本投下余地・需要が大きいということ!!)、人口は1500万足らずで慢性的な資本・人口不足あるといえる。しかし、1970年代半ばまでは旧宗主国イギリスを盟主としたスターリング経済圏が維持されており、その範囲内で経済運営をしていたと考えられる。そんな折、本国イギリスで1978年にサッチャー政権が誕生し、徹底した自由化と旧植民地とのしがらみ排除により、カナダ経済も自助努力により海外からの投資を迎え入れる必要性を迫られた。ただ、当時は現在と異なり、国境を越えて資本が自由に動き回るということが「常識」としても「正義」としても認識されてはいない。それどこらか、植民地時代や植民地資本の接収といった記憶も色濃く残っていたはずである。より、現在よりも自国経済は自国の主権の実質的影響下にあるべきだという理念も現..

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