象徴機能の発生について。

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    象徴機能の発生について
     象徴機能はいつから発生するのか。乳児期の終わり生後10から12ヶ月頃には子どもは目で見、耳で聞く現在の世界だけでなく、頭の中にイメージ(表象)を思い描くことができるようになると言われている。具体的な知覚経験をもとに自分なりにイメージを構成し、それを利用して、時・場所を変えて自分なりのやり方で活動するようになり、人やものとの感覚運動的な関わりの中で、その関わり方が内面化されてイメージが発生し模倣学習や見立て遊びなどの象徴的な行動が開始される。
    例えば自分のからだを母親のからだの代用品にして仕草を真似る、敷居の上を「シューン、ゴー」などと車が出す音を真似て発話しながら積み木を走らせる活動などである。この時、積み木や「シューン、ゴー」の発声は自動車を代表する象徴(シンボル)である。子どもの頭の中にはかつて自分が見たり乗ったりした自動車の表象が浮かんでいる。この時の子どもの音声や積み木は自動車の代用品となっている。音声や積み木は、自動車という指示対象を「意味するもの」、つまり象徴であり、指示対象と象徴は頭の中のイメージ(表象)によって結び付けられている。これは実物のイメージを頭の中に描く象徴機能が出現し、イメージが誕生したことを示唆している。
     つまり、象徴機能とは、思考やイメージを介して象徴と支持物との関係を間接的に表す働きのことである。そして象徴を操作する機能のことで、指示対象を象徴によって代表させる働きである。1歳前後から、上述の見立て遊びや延滞模倣(目の前にないモデルを頭の中に思い浮かべてまねをする)が起こると象徴機能が出現したと推測される。象徴は次の特徴を持っている。①意味するもの(この例の場合は積み木やシューン、ゴーという音声)と意味されるもの(同じく自動車)の間にはなんら関係はない。②意味し、意味されるものの関係は本人が恣意的につくりだしたものである。③意味されるものが眼前になくても意味するものを使って意味されるものを自由に操作できるようになる。操作は、現在目の前にあるものに限られず、過去の経験も操作できるようになるということである。
     この象徴機能は想像力と強く結びついている。例えば、積み木を車に見立てる遊びの例では、子どもの頭の中には今までに自分が見たことのある実物の車のイメージが頭の中に浮かんでいると考えられる。イメージの発生は子どもが象徴の形式で世界に働きかけ内面世界を操作することができるようになったことを示している。これによって、子どもは「今」「ここ」を越えて象徴の形式で様々な対象を動かすことができるようになったということである。車が今、自分の目の前で走っているわけではない、過去に自分がみた経験を思い出すという作業が必ず必要である。象徴を自由に操れるということは、自分の意識が「現在」に拘束されずにすむということを意味している。目で見る、耳で聞く、手で触れるという今、自ら感じている知覚世界の代わりに象徴機能を使うことで別の世界を描き出し、自分の現実にすることができるようになる。
    よって象徴を扱う機能、すなわち象徴機能は人間の想像力の根底をなすものとなっているといえる。そして、想像力は言語的なもの、非言語的なものを含めて、多種多様なシンボルをまとめあげる働きを指している。想像力はいくつかの象徴機能を、意識の覚醒状態でこれらの機能を統合しようとせずに産出したりする精神の能力ということができる。
     さらに2歳頃からはこれらの見立て遊び、ふり遊びが盛んに見られるようになる。例えば細長い積み木をパクパク食べる動作をす

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    象徴機能の発生について
     象徴機能はいつから発生するのか。乳児期の終わり生後10から12ヶ月頃には子どもは目で見、耳で聞く現在の世界だけでなく、頭の中にイメージ(表象)を思い描くことができるようになると言われている。具体的な知覚経験をもとに自分なりにイメージを構成し、それを利用して、時・場所を変えて自分なりのやり方で活動するようになり、人やものとの感覚運動的な関わりの中で、その関わり方が内面化されてイメージが発生し模倣学習や見立て遊びなどの象徴的な行動が開始される。
    例えば自分のからだを母親のからだの代用品にして仕草を真似る、敷居の上を「シューン、ゴー」などと車が出す音を真似て発話しながら積み木を走らせる活動などである。この時、積み木や「シューン、ゴー」の発声は自動車を代表する象徴(シンボル)である。子どもの頭の中にはかつて自分が見たり乗ったりした自動車の表象が浮かんでいる。この時の子どもの音声や積み木は自動車の代用品となっている。音声や積み木は、自動車という指示対象を「意味するもの」、つまり象徴であり、指示対象と象徴は頭の中のイメージ(表象)によって結び付けられている。これは実物のイ..

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