シェイクスピア 『オセロー』

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    資料紹介

    「将軍、恐ろしいのは嫉妬です。それは目なじりを緑の炎に燃えあが
    らせた怪獣だ、人の心を餌食とし、それを苦しめ弄ぶのです。」
    嫉妬は緑の目をした怪獣。私が「オセロー」の中で最も印象に残った台
    詞はイアーゴーの言うこの台詞だ。「オセロー」という作品自体も広く
    「嫉妬の悲劇」と呼ばれている。ところで嫉妬とは何なのか。字のごとく、ねたみ・そねみ、いわゆるジェラシーである。広辞苑には自分より優れたものをねたみそねむこと。自分の愛する者の愛情が他に向くの
    をうらみ憎むこと、とある。しかし、「オセロー」でシェイクスピアの書いたジェラシーは単なる嫉妬と訳すことはできないのではないか。この場合、疑いなど邪推という言葉に近いのではないか。
     ジェラシー≠嫉妬と考えると「オセロー」の読み方はだいぶ変わってくる。例えば、オセローの言葉で、
    「このおれが日夜嫉妬(jealousy)に苦しめられて暮らすようになると
    いうのか、月の満ち干につられて、疑いの雲をつのらせるおれと思う
    のか?馬鹿な、一度疑いが起れば、たちどころにそれを解いて見せよう。(中略)見損なうな、イアーゴー、おれはまずこの目で見る、見てから
    疑う、疑った以上、証拠をむ、あとは証拠次第だ、いずれにせよ、道
    は一つ、ただちにあいを捨てるか、嫉妬を捨てるか!」
    この台詞を見るとオセローはジェラシーを疑いといった言葉で言い換えているのがわかる。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

     「将軍、恐ろしいのは嫉妬です。それは目なじりを緑の炎に燃えあが
    らせた怪獣だ、人の心を餌食とし、それを苦しめ弄ぶのです。」
    嫉妬は緑の目をした怪獣。私が「オセロー」の中で最も印象に残った台
    詞はイアーゴーの言うこの台詞だ。「オセロー」という作品自体も広く
    「嫉妬の悲劇」と呼ばれている。ところで嫉妬とは何なのか。字のごとく、ねたみ・そねみ、いわゆるジェラシーである。広辞苑には自分より優れたものをねたみそねむこと。自分の愛する者の愛情が他に向くの
    をうらみ憎むこと、とある。しかし、「オセロー」でシェイクスピアの書いたジェラシーは単なる嫉妬と訳すことはできないのではないか。この場合、疑いなど邪推という言葉に近いのではないか。
     ジェラシー≠嫉妬と考えると「オセロー」の読み方はだいぶ変わってくる。例えば、オセローの言葉で、
    「このおれが日夜嫉妬(jealousy)に苦しめられて暮らすようになると
    いうのか、月の満ち干につられて、疑いの雲をつのらせるおれと思う
    のか?馬鹿な、一度疑いが起れば、たちどころにそれを解いて見せよう。(中略)見損なうな、イアーゴー、おれはまずこの目で見る、見てから
    疑...

    コメント3件

    yukochankoro 購入
    good
    2006/11/13 16:35 (17年5ヶ月前)

    hanabi5 購入
    good
    2006/12/09 18:04 (17年4ヶ月前)

    pochikenji 購入
    もう少しいろんな角度からの視点をしてみたらよかったと思う
    2007/01/17 13:04 (17年3ヶ月前)

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