写真撮影−京都府学連デモ事件

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    9 写真撮影-京都府学連デモ事件(刑訴判例百選P20)
    最高裁昭和44年12月24日大法廷判決
    (昭和40年(あ)第1187号公務執行妨害、傷害被告事件)
    【事実の概要】
     被告人長谷川俊英は、当時立命館大学法学部の学生で同大学一部学友会書記長であった。被告人は1962(昭和37)年6月21日、京都府学生自治会連合(学連)主催の大学管理制度改悪反対、憲法改悪反対を標榜する集団行進集団示威運動(デモ行進)に参加した。被告人は、その先頭集団で同大学学生集団先頭列外に位置して隊列を誘導していたが、京都市上京区の立命館大学正面前から同市東山区円山公園に向う途中、同市中京区木屋町御池通付近において、許可条件と異なった誘導を行なったことで、デモ行進が「集会,集団行進及び集団示威運動に関する条例(京都市公安条例)」に基づき京都府公安委員会の付した許可条件に違反することとなった為、これを規制しようとする機動隊との間で衝突・混乱が起き隊列が崩れた。この状態が、府公安委員会が付した『行進隊列を4列縦隊とする』という許可条件及び警察署長が道路交通法第77条に基づき付した『車道の東側端を進行する』という条件に外形的に違反する状況となった。
     他方、京都府警察本部山科警察署警備係所属の秋月潔巡査は、デモ行進の許可条件違反等の違法な状況の視察、採証の職務に従事していたが、この状況を現認、許可条件違反の事実があると判断し、歩道上から被告人の属する先頭集団の行進状況を写真で撮影した。これに対し被告人は「どこのカメラマンか」と抗議したところ、同巡査がこれを無視するような態度をとった為憤激し、デモ隊員が持っていた旗竿を取り同巡査の下顎部を一突きし、全治1週間の傷害を与えた為、傷害罪及び公務執行妨害罪により起訴された。
    【争点】(肖像権について憲法及び刑訴法に関わる問題のみ)
    ①憲法13条【幸福追求権】を根拠に、個人の私生活上の自由(プライバシー権)の一種として容貌・容態を撮影されない権利『肖像権』が保障されるか?
     ②国家権力(警察権等)が、犯罪捜査に必要な場合において、個人の容貌等を撮影することが憲法13条、35条に違反しないか?また、許されるならば撮影が許容される要件は?
    【判決及び判旨】
    ○第一審 京都地裁判決 昭和39年7月4日 懲役1ヶ月執行猶予1年
      憲法13条に基づくかは明示していないが、みだりに写真を撮影されない自由を有することを認めている。しかし、秋月巡査は被告人等が現出している許可条件違反の違法状況を証拠保全の為に写真撮影したもので、捜査のため不必要とは言えない行為である。この場合、公共の福祉の要請する限度を超えない範囲で、一般に容認される方法による捜査行為である時は、妥当と認められる任意捜査の範囲を超えないものと言うべきであるから、被告人等の意思いかんにかかわりなくし得るもので、被告人等の個人的利益は捜査の遂行という国家的利益のために譲歩を余儀なくされるとした。
    ○控訴審 大阪高裁判決 昭和40年4月27日 控訴棄却
      司法警察職員は、刑訴法189条2項により、犯罪があると思料する時は、犯人及び証拠を捜査することができ、任意捜査である限り裁判官の令状を必要としない。秋月潔の写真撮影行為は違法なデモ行進の状態および違反者を確認するために、違反者またはデモ行進者に物理的な力を加えたり特別な受忍義務を負わすことなく行われたもので刑訴法上の強制処分ではないから、裁判官の令状は必要ない。
    また、人に肖像権が認められるとしても、現に犯罪が行われている場合には現行犯処分

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    9 写真撮影-京都府学連デモ事件(刑訴判例百選P20)
    最高裁昭和44年12月24日大法廷判決
    (昭和40年(あ)第1187号公務執行妨害、傷害被告事件)
    【事実の概要】
     被告人長谷川俊英は、当時立命館大学法学部の学生で同大学一部学友会書記長であった。被告人は1962(昭和37)年6月21日、京都府学生自治会連合(学連)主催の大学管理制度改悪反対、憲法改悪反対を標榜する集団行進集団示威運動(デモ行進)に参加した。被告人は、その先頭集団で同大学学生集団先頭列外に位置して隊列を誘導していたが、京都市上京区の立命館大学正面前から同市東山区円山公園に向う途中、同市中京区木屋町御池通付近において、許可条件と異なった誘導を行なったことで、デモ行進が「集会,集団行進及び集団示威運動に関する条例(京都市公安条例)」に基づき京都府公安委員会の付した許可条件に違反することとなった為、これを規制しようとする機動隊との間で衝突・混乱が起き隊列が崩れた。この状態が、府公安委員会が付した『行進隊列を4列縦隊とする』という許可条件及び警察署長が道路交通法第77条に基づき付した『車道の東側端を進行する』という条件に..

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