中世〈地獄〉と〈極楽〉の思想

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    資料紹介

    はじめに 
    日本の文学には中国の影響が良く見ることが出来る。そこで私はある日本の文献を読んでいた時に〈地獄の思想〉が色濃く出ているものがあり、その話に興味をひかれた。内容を読み進めるうちにあることに気付いた。それは、当然〈地獄〉があればなくてはならない〈極楽〉という文字がない、ということである。一体どうしてだろう。私は〈地獄〉と〈極楽〉は対であると考えていたので非常に疑問に思った。そこで、今回〈地獄〉と〈極楽〉について調べたことを以下に記す。
    一、中国の地獄像           
    中国の思想が日本に大きな影響を与えているのだから、まずは中国の地獄像について調べるべきではないだろうかと考えた。そこで、主に『中国のグロテクス・リアリズム』を参考に、基本的な流れを抑えることにした。中国の地獄像と言っても、中国自体歴史が長く、その道筋は複雑なものとなっており一言では表現できない。簡単に言えば、私が日本の文献で出会ったような、地獄がない、つまりまだ生れていない時代もあったのである。そこで〈地獄…冥界〉へと言葉の範囲を広げ、冥界の歴史を紐解くこととする。そこで中国の冥界の思想が詳しく描かれている、有名な志怪小説・伝奇小説を中心に取り上げることにした。
    二、「冥界の話」―変遷 
    冥界の思想について知るには、冥界について書かれた当時の文献を参考にする必要がある。そこで調べたところ志怪小説と伝奇小説というものが真っ先に挙げられることが多く、二小説を参考に中国の冥界の話を捉えてみると、どうやらその内容と共に冥界自体も〈六朝→唐代→宋代〉とその様相が変遷していることが分かった。そこで各時代について順番に述べていく。
    [六朝(りくちょう)志怪(しかい)小説(しょうせつ)について]
    「志怪」とは「怪を志す」という意味がある。

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    中世 〈地獄〉と〈極楽〉の思想
    はじめに 
    日本の文学には中国の影響が良く見ることが出来る。そこで私はある日本の文献を読んでいた時に〈地獄の思想〉が色濃く出ているものがあり、その話に興味をひかれた。内容を読み進めるうちにあることに気付いた。それは、当然〈地獄〉があればなくてはならない〈極楽〉という文字がない、ということである。一体どうしてだろう。私は〈地獄〉と〈極楽〉は対であると考えていたので非常に疑問に思った。そこで、今回〈地獄〉と〈極楽〉について調べたことを以下に記す。
    一、中国の地獄像           
    中国の思想が日本に大きな影響を与えているのだから、まずは中国の地獄像について調べるべきではないだろうかと考えた。そこで、主に『中国のグロテクス・リアリズム』を参考に、基本的な流れを抑えることにした。中国の地獄像と言っても、中国自体歴史が長く、その道筋は複雑なものとなっており一言では表現できない。簡単に言えば、私が日本の文献で出会ったような、地獄がない、つまりまだ生れていない時代もあったのである。そこで〈地獄…冥界〉へと言葉の範囲を広げ、冥界の歴史を紐解くこととする。そこで中国...

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