遺棄の罪

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    判例遺棄の罪

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    ~遺棄の罪~
    <総説>
    一 はじめに
    1 遺棄の罪とは、扶助を要する者を保護されない状態に置くことによって、その生命・身体を危険にさらす罪である。
    2 刑法は、本罪に当たるものとして単純遺棄罪(217)、保護責任者遺棄罪(218)及び遺棄致死傷罪(219)を規定している。
    二 保護法益:遺棄の罪の保護法益は、生命・身体の安全である(通説)。
    【遺棄の罪の保護法益】
    1)生命の安全であるとする説
    (理由)
    ①218条で「生存に必要な保護」をしないことが遺棄と並んで規定されており、生命に対する危険を処罰の要件とすることを示している。②遺棄の罪が「遺棄」という不明確な行為を内容としていることから、身体に対する危険も含むとすれば本罪の成立範囲がきわめて無限定になる。
    2)生命・身体の安全であるとする説(判例)
    (理由)
    ①遺棄罪の規定は、傷害罪、過失傷害罪の後に規定されている②219条において傷害の発生による結果的加重犯が規定されており、それは遺棄罪に傷害発生の危険が含まれていることを意味する。③法定刑が1年以下の懲役(217)、3月以上5年以下の懲役(218)と傷害の法定刑(最高刑が懲役10年)より軽い
    3)生命・身体の安全及び社会的風俗であるとする説
    (理由)
    人を遺棄してその生命・身体に危険を与えることは、社会的風俗を害する
    三 客体
    遺棄の罪の客体は、老年、幼年、身体障害、疾病のため扶助を必要とする者すなわち要扶助老であり、「扶助を必要とする老」とは、他人の保護を受けなければ自ら日常生活を営む動作をすることが、不可能もしくは著しく困難なため、自己の生命・身体に生ずる危険を回避できない者をいう。
    本罪の客体は制限列挙である。老幼、身体障害、疾病の者以外は、たとえ保護を必要とする場合であっても遺棄の罪の客体にはならない。
    四 行為
    「遺棄」及び、「その生存に必要な保護をしなかった」こと(218)である。両者は、扶助者と要扶助者との場所的離隔の有無により区別される(通説)。
    1「遺棄」(広義の遺棄)
    遺棄(広義)とは、場所的離隔を生じさせることによって要扶助者を保護のない状態に置くことをいう(通説)。遺棄(広義)は、移置(狭義の遺棄)と置き去りを内容とする。
    移置(狭義の遺棄)は被害者の場所的移転を伴う場合をいう。広義の遺棄は、移置(狭義の遺棄)のほか、置き去りのように要扶助者との場所的離隔を生ぜしめるすべての場合を含む。
    2 不保護
    「生存に必要な保護をしなかった(不保護)」とは、保護責任者が、要保護者との間に場所的離隔を生じさせないままで、安保護者の生命・身体の安全のための保護責任を尽くさないことをいう(真正不作為犯)。
    【「遺棄」の意義】
    ・A説(判例、通説)
    217条の遺棄:移置(=作為)
    218条の遺棄:移置に加え置き去り(=不作為)も含む
    (理由)
    ①217条には保講義務が規定されておらず、不作為の遺棄行為を基礎づける作為義務が要求されていないので、不作為は処罰しない趣旨である ②置き去りによる遺棄は不実正不作為犯であって、作為義務者、すなわち、保護義務者によってのみ犯されうる
    ・B説
    217条の遺棄:作為による移置・作為による置き去り
    218条の遺棄:作為及び不一作為による移置・作為および不作為による置き去り
    (理由)
    ①217条には保講義務が規定されておらず、不作為の遺棄行為を基礎づける作為義務が要求されていないので、不作為は処罰しない趣旨である ②置き去りによる遺棄は不実正不作為犯であって、作為義務者、すなわち、保護義務者によってのみ

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    ~遺棄の罪~
    <総説>
    一 はじめに
    1 遺棄の罪とは、扶助を要する者を保護されない状態に置くことによって、その生命・身体を危険にさらす罪である。
    2 刑法は、本罪に当たるものとして単純遺棄罪(217)、保護責任者遺棄罪(218)及び遺棄致死傷罪(219)を規定している。
    二 保護法益:遺棄の罪の保護法益は、生命・身体の安全である(通説)。
    【遺棄の罪の保護法益】
    1)生命の安全であるとする説
    (理由)
    ①218条で「生存に必要な保護」をしないことが遺棄と並んで規定されており、生命に対する危険を処罰の要件とすることを示している。②遺棄の罪が「遺棄」という不明確な行為を内容としていることから、身体に対する危険も含むとすれば本罪の成立範囲がきわめて無限定になる。
    2)生命・身体の安全であるとする説(判例)
    (理由)
    ①遺棄罪の規定は、傷害罪、過失傷害罪の後に規定されている②219条において傷害の発生による結果的加重犯が規定されており、それは遺棄罪に傷害発生の危険が含まれていることを意味する。③法定刑が1年以下の懲役(217)、3月以上5年以下の懲役(218)と傷害の法定刑(最高刑が懲役10..

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