寄生虫

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    他の生物の体内や体表に、持続的または一時的に住み込んで栄養を横取りしている生物を寄生虫という。私は講義から、数多く存在する寄生虫の中に、寄生虫が生息する動物である宿主に対し、ある決まった特殊な表現・行動を働きかけるものが存在することを知った。今までは寄生虫と聞くと、ただ単に「気持ち悪い」とか、「体に対して危険なもの」というイメージしか持っていなかった。けれど、寄生虫の持つ面白い性質がとても興味深く感じ、もっと詳しく知りたいと思うようになった。
    宿主の特殊な表現・行動の例に、フクロムシがカニに寄生すると、カニは去勢され、繁殖がストップする、ということが挙げられる。カニの腹部をよく見ると、厚ぼったい袋のようなものが挟まっていることがある。実はこの袋によってカニの生殖器は侵され、オスでもメスでもない状態にされている。そしてこの袋の正体がフクロムシなのである。これは一種の寄生性の甲殻類で、フクロムシに寄生されたカニは、生殖器が侵されているため、オスはメスに、メスはオスに一生相手にされなくなる。フクロムシは、一度寄生すると二度と離れないのだ。しかし問題はない。なぜなら寄生されたカニがオスだとしても、それはメス化することが出来るからだ。胸部に折れ曲がった腹部の幅は広く変化し、メスと同じようにここで卵が抱えられるような形になる。フクロムシの虫体は、カニが抱卵する時に卵の入る場所に発達する。だからカニは、フクロムシの虫体が卵塊であるかのように錯覚してしまい、その卵塊を守る行動を取るというわけである。また、サナダムシはマウスに寄生すると、マウスの成長を促進し、繁殖に抑制をかける。これは、サナダムシがマウスの生理を変えるのではなく、成長ホルモンの類似体をマウスに分泌するため起こるのである。またトリパノソーマに感染したラットやマウスは全て未感染のラットやマウスと比べ、体重が増加しただけでなく、同時に生まれたものよりずっと長生きしたという。この長寿の理由として解ったことは、この寄生虫が宿主に対し、エネルギー生成に必要なビタミンである、チアミン、パントテン酸、ピリドキシンなどを供給したため、ということである。(注1)このように様々な働きかけを行う寄生虫の中で、私が最も興味を抱いたのは、アリに寄生し、アリの脳をコントロールする、という寄生虫である。また寄生虫はどのような成長を遂げ、どういう方法で宿主をコントロールするのだろうか。
    まず、寄生虫と言っても様々な種類が存在するが、大きく三つに分けることが出来る。一つ目は、マラリアや赤痢アメーバといった単細胞生物である「原虫類」。二つ目は、身体をウネウネとくねらせて動く多細胞生物である「蝉虫類」。三つ目は、ダニやノミといった虫で、原虫類や蝉虫類が人や動物の体内に寄生しているのに対し、体外で存在する「体外寄生虫」。そして「原虫類」は「アメーバ類」、「鞭毛虫類」、「胞子虫類」、「分類不明」の四つに分けられ、「蝉虫類」は、針金状の形をした「線虫類」、二つの吸盤を持って体内にくっついている「吸虫類」、ヒモやテープのような状態で体節が長く繋がっている「条虫類」の三つに分けられる。(注2)ここではその中の「吸虫類」である、ヤリガタ(槍形)吸虫の性質について取り上げようと思う。
    ヤリガタ吸虫はヒツジやウシなど草食獣の胆管に寄生する。といっても、ヤリガタ吸虫の生活史には二つの中間宿主が必要で、第一中間宿主はカタツムリ、第二中間宿主はアリである。(注3)つまり成虫が寄生する宿主である終宿主が固定されているのである。寄生虫は宿主を選ぶデリケートな生き

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    他の生物の体内や体表に、持続的または一時的に住み込んで栄養を横取りしている生物を寄生虫という。私は講義から、数多く存在する寄生虫の中に、寄生虫が生息する動物である宿主に対し、ある決まった特殊な表現・行動を働きかけるものが存在することを知った。今までは寄生虫と聞くと、ただ単に「気持ち悪い」とか、「体に対して危険なもの」というイメージしか持っていなかった。けれど、寄生虫の持つ面白い性質がとても興味深く感じ、もっと詳しく知りたいと思うようになった。
    宿主の特殊な表現・行動の例に、フクロムシがカニに寄生すると、カニは去勢され、繁殖がストップする、ということが挙げられる。カニの腹部をよく見ると、厚ぼったい袋のようなものが挟まっていることがある。実はこの袋によってカニの生殖器は侵され、オスでもメスでもない状態にされている。そしてこの袋の正体がフクロムシなのである。これは一種の寄生性の甲殻類で、フクロムシに寄生されたカニは、生殖器が侵されているため、オスはメスに、メスはオスに一生相手にされなくなる。フクロムシは、一度寄生すると二度と離れないのだ。しかし問題はない。なぜなら寄生されたカニがオスだとして..

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