現代ツーリズム産業論の状況

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    ツーリズム産業とは何か
    「ツーリズム産業」は、宿泊サービス業、鉄道、航空などの運輸業、旅行代理店やガイドサービスなどの旅行業など、旅行に関して消費者に直接してサービスを行う産業全体である。宿泊サービス業、旅客運輸業にあっては、出張や商談といったビジネスでの移動に関わる利用と別に、「観光」の目的での利用がある。ここでは後者についてのみ考える。観光産業がほかの産業と異なる点についていくつか考えると、まず時間的な需要変動が激しいことが挙げられる。年間を通じては、避暑地は夏に高い需要があるし、スキー場とその周辺の宿泊施設などは、夏季には需要がない。また、平日はほとんど需要が無く、土日祝日には交通機関なども混雑する。これは特にほかの産業と比べて顕著だろう。ほかに特徴的なこととしては、景気変動に左右されやすいということが挙げられる。観光はまとまった余暇時間を必要とする上、他の消費財に比べて必ず消費しなければならないものでもないからだ。
    ツーリズム産業とはそもそも何を提供するものか、「移動的である」という点から考えると、「日常からの離脱」が提供されるものだいえる。旅行それ自体は、江戸時代の「伊勢参り」といったように古くからあるものであって、産業化された近代的な社会に特徴的なものとは言えない。ここから、本質的に人間が移動を求めるものであると推察できると思う。ルーティン化された日常は生を希薄化するもので、人間は本来的にそこからの脱却を求める。「移動」はその脱却を内的に実感的なものとするための象徴的な、いわば儀式であって、それ故に観光はノンルーティンな体験を与えるものであると考えられるだろう。恐らく、この見方でほとんどの「観光」的な行為はその理由を説明できると思う。
    ツーリズム産業の今日的課題は何か
    ツーリズム産業の現代的な状況としては、消費者の嗜好の変化が挙げられるだろう。旅行の形態は、従来の「ショーウィンドウ型」から「体験型」に変化していると言われている。近年、旅行代理店は取扱高が減少し、宿泊や航空券を直接消費者が取り寄せるネット予約が急速に利用を増やしている。また、社員旅行など大人数で「物見遊山」をする団体旅行は減少し、個人旅行が増加している。これは旅行において消費者が主体的にその内容をカスタマイズするようになったことの現れだろう。従来型の旅行では、旅行代理店などがキップ、航空券、ホテルなどを一括で消費者に販売し、添乗員が同行して、予め細かく時間的に決められたルートをまわるような、消費者へ一方的に提供する旅行商品が特徴的だった。しかし、現代にあっては、消費者のニーズが多角化し、また、エコツーリズムなどの体験型、学習型のような消費者が主体的に体験を行う観光に嗜好がシフトしていったため、従来型の一方的な旅行商品でなく、消費者が自由に組める旅行が好まれる。この中で、旅行会社は日程やコースがフレキシブルであることはもちろんのこと、単に名所・旧跡を訪れるような旅行ではなく、消費者の嗜好に合わせた魅力的な商品、アイデアが求められる。また、消費者が主体的に行動して体験を行うという嗜好が強くなれば、従来の観光客向けのサービス、お土産屋、テーマパークといったような一方的サービスは好ましくなく、その地域特有の産品を集積しコミュニティセンター的なものである「道の駅」などといったような、地域全体が商品であることを踏まえた、農業や近代工業遺産など、ツーリズム産業の外郭にある各種の産業との連携が求められる。
    ツーリズム振興のための戦略や政策
    宿泊業や旅客運送業、飲食業といった狭義でのツー

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    ツーリズム産業とは何か
    「ツーリズム産業」は、宿泊サービス業、鉄道、航空などの運輸業、旅行代理店やガイドサービスなどの旅行業など、旅行に関して消費者に直接してサービスを行う産業全体である。宿泊サービス業、旅客運輸業にあっては、出張や商談といったビジネスでの移動に関わる利用と別に、「観光」の目的での利用がある。ここでは後者についてのみ考える。観光産業がほかの産業と異なる点についていくつか考えると、まず時間的な需要変動が激しいことが挙げられる。年間を通じては、避暑地は夏に高い需要があるし、スキー場とその周辺の宿泊施設などは、夏季には需要がない。また、平日はほとんど需要が無く、土日祝日には交通機関なども混雑する。これは特にほかの産業と比べて顕著だろう。ほかに特徴的なこととしては、景気変動に左右されやすいということが挙げられる。観光はまとまった余暇時間を必要とする上、他の消費財に比べて必ず消費しなければならないものでもないからだ。
    ツーリズム産業とはそもそも何を提供するものか、「移動的である」という点から考えると、「日常からの離脱」が提供されるものだいえる。旅行それ自体は、江戸時代の「伊勢参り..

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