資本主義の多様性と日本経済の新たな成長

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    資料紹介

    資本主義の多様性と日本経済の新たな成長
    目次
    第1章 資本主義の基本構造と制度的多様性
    第2章 現代資本主義における金融システムの構造
    第3章 90年台日本経済の長期不況-バブル崩壊と不良債権問題-
    第4章 日本経済の新たな成長
    資本主義の基本構造と制度的多様性
    この章では資本主義はいったいいかなるものであるのかを明らかにする。資本主義経済を構成する大きな要素は市場システムである。よってまず市場システムとはいかなるものであるかを明らかにしなければならない。ここで注意しなければならないのは、資本主義経済と市場システムは同一視してはいけないということである。市場システムの歴史は古く歴史上さまざまなそれが形成され、消滅していった。しかしそれらをすべて資本主義システムとよぶわけにはいかない。「資本」の存在、これこそが資本主義の成立するための要素である。
     資本主義に言及する前に市場における貨幣の存在について定義しなければならない。ここで銘記すべきは貨幣こそが市場における自由で独立した「個人」=「私的個人」の存在を可能にするということである。財が商品になるためには「統一的で一般的な価値表現」が必要である。これが成り立たない限り、交換が、したがって「私的生産」が成り立たないということである。つまりこれは「私的なるもの」が存在しえないということになるのだ。同時に、貨幣以前に「私的個人」なるものは存在しえないということになる。
     次に重要なのは「貨幣」を、市場経済を成り立たせている最も根本的な「制度」と理解することであり、物的なストック、あるいは「資産」として理解するべきではないということだ。「制度」としての「貨幣」は次のような要件を満たさなくてはならない。
    ①「共通の計算単位」としての「貨幣」
     「貨幣」は、社会のすべての人に受容され、各「個人」間の関係を量的に表現する「共通の計算単位」であって「資産」ではない。貨幣によって数量化=客観化されることによって、「市場」という「経済空間」が成立する。
    ②「主権」と「貨幣発行システム」
     貨幣は資産ではないのだから、個人が所有する「財」=「資産」が貨幣となることはない。「主権」と「貨幣創造」こそが制度としての「貨幣システム」の骨格を成すのである。ここで言う「主権」とは、個人からは独立した、共同体としての共通性を保障する正統化された「最高意思決定機関」のことである。また、貨幣創造とは貨幣を創造するのみならず、それを人々の手に渡すシステムをも含んだものである。金の保有者がその金を貨幣鋳造所に持っていき、そこで鋳造してもらった金貨のみが貨幣として流通するような「純粋金属流通システム」においては、金の保持者のみが貨幣を入手する権利を持っている、これに対して「純粋信用システム」の場合は入手可能性の異なる複数の「資産」が存在する。ここに多層的な「資産市場」が形成され、多層的な市場形成の契機が与えられる。
    ③信用貨幣
    「純粋信用経済」においては、貨幣は、中央銀行が発行する「信用貨幣」である。信用貨幣はまさに信用であるがゆえに、中央銀行によって持ち出され、最終的に返済されることで消滅する。したがって、「貨幣創造額」について言うならば、中央銀行の貸し出し基準は、当の相手の「返済可能性」にあるといえる。この返済可能性こそが第一ランクの資産である。「純粋金属流通システム」の場合には、金という物理的なものが貨幣入手の「元手」となっているのに対して、「純粋信用システム」においては、「信用」という、主観的なものになっている点に注目すべきである。

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    資本主義の多様性と日本経済の新たな成長
    目次
    第1章 資本主義の基本構造と制度的多様性
    第2章 現代資本主義における金融システムの構造
    第3章 90年台日本経済の長期不況-バブル崩壊と不良債権問題-
    第4章 日本経済の新たな成長
    資本主義の基本構造と制度的多様性
    この章では資本主義はいったいいかなるものであるのかを明らかにする。資本主義経済を構成する大きな要素は市場システムである。よってまず市場システムとはいかなるものであるかを明らかにしなければならない。ここで注意しなければならないのは、資本主義経済と市場システムは同一視してはいけないということである。市場システムの歴史は古く歴史上さまざまなそれが形成され、消滅していった。しかしそれらをすべて資本主義システムとよぶわけにはいかない。「資本」の存在、これこそが資本主義の成立するための要素である。
     資本主義に言及する前に市場における貨幣の存在について定義しなければならない。ここで銘記すべきは貨幣こそが市場における自由で独立した「個人」=「私的個人」の存在を可能にするということである。財が商品になるためには「統一的で一般的な価値表現」が必..

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