自由労働思想の史的展開

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    第二章「自由労働思想の史的展開」
                     
    この章の目的とは?
    自由主義ないし功利主義といった社会思想を、アメリカ革命期以降のより大きな歴史的文脈の中においてとらえ直し、そのうえでこの思想が奴隷制反対とどのように関わるのかを検討している。そして、奴隷制廃止の精神史的な意義やアメリカ自由主義の歴史的な特質を理解できるようにしている。
    第一節 共和主義の経済倫理
    1 アメリカ革命期の労働思想
    ベンジャミン・フランクリンの思想(アメリカ革命期~南北戦争期の社会思想のベース)
    1730年代に13の徳[節制、沈黙、規律、決断、節約、勤勉、誠実、正義、中庸、清潔、平静、純潔、謙譲]の定式化
    →これをマックス・ウェーバーと大塚久雄が分析、解釈
    ウェーバー・大塚理論:
    正当な利潤を天職として組織的かつ合理的に追求するという「資本主義の精神」は、日常の世俗的生活の中で生活の規律化と方法化、神の道具としての生活実践の重視という「世俗内的禁欲」によって生み出された。具体的には、勤労・節約・質素という倫理的態度を実践すること自体が目的として追求されていたが、やがて自己労働の投下による収益が正当な利潤として認識されるようになって、営利自体が最高善視されるような「価値の倒錯」が起こった。
    功利主義と道徳との一体化 ←筆者賛成
    「正直」や「勤勉」は、「信用」と「貨幣」を増殖させるから「有益」という論理。
    =「価値の倒錯」(世俗における有益性>宗教倫理の実践)
    プロテスタンティズムから資本主義への「自生的」かつ順調な伸展 ←筆者反対
    「中産的生産者層」(大塚)は少なくともイデオロギー的には産業化、つまり資本主義化に抵抗してきたという事実
    →ウェーバー・大塚理論では説明不可能
    勤勉、節約というエートス[農本主義]が資本主義化を抑制した理由とは?
    →アメリカ革命から南北戦争期にかけて支配的・規範的だった価値を分析してみる。
    2 労働の尊厳――ペインとジェファソン
    ペイン流都市型共和主義
    フィラデルフィアに代表される都市部での商工業の発達を支えた の価値観:「独立」精神(個人主義+強い向上心)
    大商人・貴族的な階層 vs. アーティザン
    アーティザンは可視的な労働による私有財産は肯定するが、相続や世襲による私有財産には反対。大商人の営業活動は、「特権」や「独占」に支えられたもので、「生産的な労働」や「自己労働の投下」ではない。=反植民地支配、反貴族政
    ↑擁護
    トマス・ペイン『コモンセンス』
    自然的な財産[大地、空気、水etc.]は人々が平等に共有するものであるが、人為ないし獲得財産は自然に対する改良労働の付加価値として私有化が認められる。よって、「労働」こそが重要で、それによってのみ財産は正当化される。それゆえ、富は、「生産的諸階層」(アーティザンや農民などの小生産者)の勤勉と幸運の賜物であり、アメリカ社会はこの「生産的階層」を基礎とすべきだ。
    →アーティザン[生産的階級]による経済と政治が革命期の共和国の社会的基盤となる。
     
    ■ジェファソン流農本的共和主義
    ジェファソンの支持基盤: 、南部のプランター層
    「反都市」の強いバイアス
    財産のおおよその平等こそが自由と徳と共和政府の重要な安全装置として、重要である。しかし、都市は贅沢と従属、銀行家と投機家と地主たちの浪費の本拠地であり、各人の財産を不平等化してしまう。
    ↑擁護
    ジェファソン『ヴァジニア覚え書』(応答19)
    ヨーロッパでは土地に制約があり工業化はやむを得ないが、アメリカには農業を支える広大な土地

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    第二章「自由労働思想の史的展開」
                     
    この章の目的とは?
    自由主義ないし功利主義といった社会思想を、アメリカ革命期以降のより大きな歴史的文脈の中においてとらえ直し、そのうえでこの思想が奴隷制反対とどのように関わるのかを検討している。そして、奴隷制廃止の精神史的な意義やアメリカ自由主義の歴史的な特質を理解できるようにしている。
    第一節 共和主義の経済倫理
    1 アメリカ革命期の労働思想
    ベンジャミン・フランクリンの思想(アメリカ革命期~南北戦争期の社会思想のベース)
    1730年代に13の徳[節制、沈黙、規律、決断、節約、勤勉、誠実、正義、中庸、清潔、平静、純潔、謙譲]の定式化
    →これをマックス・ウェーバーと大塚久雄が分析、解釈
    ウェーバー・大塚理論:
    正当な利潤を天職として組織的かつ合理的に追求するという「資本主義の精神」は、日常の世俗的生活の中で生活の規律化と方法化、神の道具としての生活実践の重視という「世俗内的禁欲」によって生み出された。具体的には、勤労・節約・質素という倫理的態度を実践すること自体が目的として追求されていたが、やがて自己労働の投下による..

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