犯罪者処遇の権力作用と刑罰や矯正教育の功罪について

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    犯罪者処遇の権力作用と刑罰や矯正教育の功罪について
    1、現行の犯罪者処遇の概要
    犯罪・非行行為とは、その社会の構成員が等しく認め合う規範に基づき形成された法律を犯したり、犯す恐れのある行為である。その行為は、社会秩序、治安を乱し、社会の構成員の生命危機をも招くのである。社会は、公権力を行使し、犯罪者・非行者の行動を干渉し、その社会の持つ規範を維持しなければならない。それが、社会における安定と発展のための要素である。その公権力を背景とした犯罪者・非行者への干渉が、犯罪者処遇である。
    公権力による犯罪者処遇の目的には、①社会の安定、秩序の維持。②犯罪者・非行者にその社会規範の習得を行うこと。③犯罪者・非行者の社会復帰、社会参加への援助等がある。このことは同時に、公共と個人との福祉の維持・発展を意味し、犯罪者個々人に着目した再犯予防策としての犯罪者処遇には、社会防衛的視点が強いといえる。すなわち犯罪者処遇に病気の治療をモデルとした改善処遇をあてはめると、犯罪・非行の負因の除去・軽減を基本に、犯罪に陥ることなく社会生活を営む手段を考え、本人の回復力を基本に、犯罪的負因の除去・軽減そのものよりは、一人ひとりの問題点を念頭に置き、社会生活を続けるためのケア・援助を図るという考えである。
    2、犯罪非行者の処遇
    (1)成人の場合
    成人の犯罪者処遇の施設には、行刑施設の刑務所、拘置所があり、拘置所は主に拘留中の被疑者、被告人が収容されている。刑務所では拘置所とは異なり、受刑者の刑の執行を通じて、社会適応化・改善更生を図る処遇が行われており、以下のようなものである。刑の確定した受刑者に対し科学的調査を行い、問題点と資質の把握、個々の受刑者に適した処遇の計画を行う。懲役受刑者には、木工、印刷、洋裁、金属、革工等の本人に適した作業に就かせ、職業的知識、技能の習得により勤労精神の養成を行う。受刑者に対する教育としては、入所及び釈放時教育、教科教育、通信教育、生活指導等がある。他に、生活条件の保障、医療設備とまた、被収容者の処遇には、手紙の発受、面会の実施、図書の観覧等の配慮もなされている。
    (2)少年の場合
     少年院では、14歳以上~20歳未満までの非行少年を収容し、生活指導、職業指導、進路指導、教科教育等の教育訓練が行われ、改善更生を図っている。また、収容期間には、少年の非行に応じて一般短期処遇、特修短期処遇及び長期処遇に区分されている。
     少年鑑別所では、14歳以上20歳未満の罪を犯した少年、14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年及び20未満で罪を犯すおそれのある少年が家庭裁判所の決定により収容され、その資質の鑑別を行う施設である。少年鑑別所では、読書、レクリエーションの実施、必要な検査、診断、助言を行っている。
    3、刑罰、矯正教育の意義と目的
    犯罪者処遇としての刑罰・矯正教育には、犯罪者・非行者に対して、以下のような考えがある。
     ①一般予防:あらかじめ犯罪とそれに対する刑法を規定しておくことで、犯罪の発生をできるだけ未然に防ごうとすること。社会の犯罪者・非行者に対する怒りを静める、といった考えの根底のもとに、社会の安定、秩序の維持を目的としたものである。
    ②特別予防: 犯罪者・非行者の出所・出院後の再犯を防ぐという考え方である。
    ③応報:過去の「目には目を、歯には歯を」とういう犯した罪に対し、それ相応の償いを受ける同害報復の考えで、刑罰の根底的考え方である。
    ④教育・更生:実際に犯罪を犯した人に対して刑罰を貸すことによって、二度と同じ過ちを犯さないよう、更生を

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    犯罪者処遇の権力作用と刑罰や矯正教育の功罪について
    1、現行の犯罪者処遇の概要
    犯罪・非行行為とは、その社会の構成員が等しく認め合う規範に基づき形成された法律を犯したり、犯す恐れのある行為である。その行為は、社会秩序、治安を乱し、社会の構成員の生命危機をも招くのである。社会は、公権力を行使し、犯罪者・非行者の行動を干渉し、その社会の持つ規範を維持しなければならない。それが、社会における安定と発展のための要素である。その公権力を背景とした犯罪者・非行者への干渉が、犯罪者処遇である。
    公権力による犯罪者処遇の目的には、①社会の安定、秩序の維持。②犯罪者・非行者にその社会規範の習得を行うこと。③犯罪者・非行者の社会復帰、社会参加への援助等がある。このことは同時に、公共と個人との福祉の維持・発展を意味し、犯罪者個々人に着目した再犯予防策としての犯罪者処遇には、社会防衛的視点が強いといえる。すなわち犯罪者処遇に病気の治療をモデルとした改善処遇をあてはめると、犯罪・非行の負因の除去・軽減を基本に、犯罪に陥ることなく社会生活を営む手段を考え、本人の回復力を基本に、犯罪的負因の除去・軽減そのものよりは..

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