EUにおけるサステイナブルシティ政策について

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    EUにおけるサステイナブルシティ政策について
     地球規模の気候の変化、環境の悪化、経済構造の変化などに伴いながら、急速な都市化が世界中で進行している。そうした中でヨーロッパでは、将来の都市がローカルおよびグローバルな持続可能性に貢献できるかをめぐって、「サステイナブルシティ」という考え方が提唱されている。ここで用いられるサステイナビリティの概念とは、地方社会から国際社会、地球全体まで、それぞれに抱える喫緊の問題を解決し、地球社会を持続可能なものとする地球持続のためにビジョンを構築することを目的としている。そして、サステイナブル・ディロップメントとは経済成長ではなく、生活の質の向上を目的とし、現在世代内部の公平とともに、現在世代と将来世代の公平も重視し、自然システムの環境容量の範囲内で開発していくことを意味している。すなわち、サステイナブルシティの構築には、環境に加え経済と社会・文化の三つの視点を統合的に捉えアプローチすることが不可欠である。
     なぜこのような議論がヨーロッパにおいてなされたかには、以下の事情がある。
     第一は、ヨーロッパにおける都市化と都市構造の変化である。
     EU地域は世界でもっとも都市化が進んだ地域であり、人口の79%が都市部に移住している。第2次大戦後ヨーロッパの諸都市は、都市化→郊外化→非都市化(反都市化)→再都市化という変遷をとげてきた。ただ、50年代のような爆発的人口増加はなく、比較的安定した人口増加となっている。また、経済構造の変化にともない、(イギリス、オランダ、北ドイツなどの旧中核都市の停滞と、北イタリアや南ドイツなど新中核都市の発展、スペインやギリシャなどの周辺都市との格差の拡大などが生じている。
     第二は、それぞれの都市における社会的二極化傾向である。
     かつて都心部の孤立した地域であるインナー・シティが都市周辺にひろがり、都市貧困層の集積がさまざまな社会問題を引き起こしている。都市再生は社会問題と密接にリンクしており、サステイナビリティにおける社会的公平の問題が重要性を増している。
     第三は、ヨーロッパの経済統合による変化である。
     ヨーロッパ統合と単一市場の形成は、経済成長によってすべての地域に便益をもたらすと期待されているが、実際には新たな地域間格差を拡大させる可能性がある。
     第四は、ヨーロッパにおける自然環境の変化である。
     各都市における環境問題はさまざまではあるが、衰退地域と発展地域のどちらにおいても、都市の開発および再開発が自然のエコシステムに大きな影響を与え、交通による混雑や環境汚染、ストレスや騒音などが健康、さらには生活の質に重大な結果をもたらしている。
     以上のことより、ヨーロッパ委員会の都市環境に関する専門家グループは、政治的リーダーシップと強固な管理による都市再生の活動が必要であると提言した。
     しかし、ヨーロッパにおける都市のあり方は多様であり、さまざまな法的・制度的な相違がある。したがって、ヨーロッパの諸都市に共通して適用可能な方策があるわけではない。そこでまた、彼らはそれぞれの地域における地方政府の役割が重要であり、そこでなされる新しい都市管理の手法がグローバルなサステイナビリティへの貢献にもつながるとも提言した。
     また、サステイナブルシティ政策で提言されている四つの基本原則は以下のとおりである。
     第一は、都市管理の原則である。それらの手法には、協働とパートナーシップ、政策策的統合、市場メカニズム、情報管理、測定と監視などがあり、これらの手法にアプローチするためには

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    EUにおけるサステイナブルシティ政策について
     地球規模の気候の変化、環境の悪化、経済構造の変化などに伴いながら、急速な都市化が世界中で進行している。そうした中でヨーロッパでは、将来の都市がローカルおよびグローバルな持続可能性に貢献できるかをめぐって、「サステイナブルシティ」という考え方が提唱されている。ここで用いられるサステイナビリティの概念とは、地方社会から国際社会、地球全体まで、それぞれに抱える喫緊の問題を解決し、地球社会を持続可能なものとする地球持続のためにビジョンを構築することを目的としている。そして、サステイナブル・ディロップメントとは経済成長ではなく、生活の質の向上を目的とし、現在世代内部の公平とともに、現在世代と将来世代の公平も重視し、自然システムの環境容量の範囲内で開発していくことを意味している。すなわち、サステイナブルシティの構築には、環境に加え経済と社会・文化の三つの視点を統合的に捉えアプローチすることが不可欠である。
     なぜこのような議論がヨーロッパにおいてなされたかには、以下の事情がある。
     第一は、ヨーロッパにおける都市化と都市構造の変化である。
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