2007年度村田ゼミ課題レポート

閲覧数1,948
ダウンロード数9
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    『北海道夕張市の破綻について』
    1, 事実の概要
    夕張市はメロンの生産地として知られる北海道の市である。 夕張市は、前市長(中田鉄治)の時代に、かつて盛んだった石炭産業の撤退による市勢の悪化に対し、『炭鉱から観光へ』とテーマパークや博物館などを開設。また90年代以降民間が撤退したスキー場やホテルの買い取り、映画祭などのイベントの開催など、必死に地域再生を図った。観光客は一時、年間230万人にも上ったものの、景気の低迷とともに大きく減少していった。逆に、この過大な投資などが累積赤字として重くのしかかり、市の財政を圧迫していった。この赤字を隠すため、一時借入金で穴埋め、さらにその一時借入金を繰り返し続け、表面上は黒字になるように装い、外部に露見するのを避けていた。借金を新たな借り入れで返済するという自転車操業の泥沼にはまっていったのである。 その結果として市は、6月16日、自治体の倒産とも言える「財政再建団体」に移行する考えを固め、20日午前、正式にこれを表明した。 負債残高は、民間の金融機関からの一時借入金が役292億円(今年3月末)、地方債が約137億円(05年3月末)、公社や第三セクターへの債務などが約165億円で、総額は約600億円にものぼる。
    夕張市の歩み
    石炭の鉱脈を発見
    市制施行
    人口、最多の約11万人に
    原油の輸入自由化。以降、炭鉱の閉山相次ぐ
     中田鉄治市長が当選
     石炭博物館オープン
     北炭夕張新鉱ガス突出事故で93人死亡
     新鉱が閉山。夕張炭鉱病院を市に移管
    メロン城オープン。三菱南大夕張炭鉱事故で62人死亡
    ゆうばり国際ファンタスティック映画祭開始。          南大夕張鉱山閉山
    郷愁の丘ミュージアム完成
    松下興産がスキー場やホテル経営から撤退。市が買い取る
    中田市長が死去。後藤健二市長が初当選
    財政再建団体移行を表明。
    2, 財政再建団体
     財政再建団体とは、地方財政再建促進特別措置法に基づき、決算の赤字比率が20%以上になると対象になる。夕張市は今年の6月の時点では今年度の決算を赤字とし、来年度から財政再建団体に指定される予定であったが、7月に今年度中の財政再建団体を申請する方針を表明した。これにより、国の指導の下で増税や公共料金の値上げ、人件費削減など徹底した歳出カットを含む財政再建計画をたて、予算を編成することになり、まさに「鉛筆1本買うにも国の許可がいる」という制約の下で財政を立て直すことになる。 92年に財政再建団体に指定された、福岡県赤池町(現・福智町)では最低限必要な住民サービス以外の支出を認めず、町営住宅の家賃や水道料金を値上げし、10年がかりで約32億円の赤字をなくした。 総務省はこれまで、夕張市のようなケースを想定せず、一時借入金の残高を調べなかった。しかし、地方交付税などの削減などで全国の自治体の財政は疲弊しており、多額の一時借入金を抱える自治体もありえると判断し、全国の自治体の実態を把握し「破綻の芽」を摘み取る考えを示した。
    3, 夕張市の今後
     夕張市が11月14日、市議会に示した財政再建計画の骨子によると、市職員の大幅な給与カットや、職員の数も2010年までに70人程度までに削減することなどが盛り込まれた。また、市が保有する観光施設31施設のうち29施設を売却、売却先が見つからなかった場合には廃止することも明らかになった。現在、受け皿として道内外から数社が名乗り出ているほか、加森観光が一括での受け入れを表明している。さらに、今回の破綻の影響を受け11月17日に解散した夕張観光協会に代わり、環

    タグ

    企業地域博物館法人影響人口新聞住民ゴミ地方

    代表キーワード

    企業博物館

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    『北海道夕張市の破綻について』
    1, 事実の概要
    夕張市はメロンの生産地として知られる北海道の市である。 夕張市は、前市長(中田鉄治)の時代に、かつて盛んだった石炭産業の撤退による市勢の悪化に対し、『炭鉱から観光へ』とテーマパークや博物館などを開設。また90年代以降民間が撤退したスキー場やホテルの買い取り、映画祭などのイベントの開催など、必死に地域再生を図った。観光客は一時、年間230万人にも上ったものの、景気の低迷とともに大きく減少していった。逆に、この過大な投資などが累積赤字として重くのしかかり、市の財政を圧迫していった。この赤字を隠すため、一時借入金で穴埋め、さらにその一時借入金を繰り返し続け、表面上は黒字になるように装い、外部に露見するのを避けていた。借金を新たな借り入れで返済するという自転車操業の泥沼にはまっていったのである。 その結果として市は、6月16日、自治体の倒産とも言える「財政再建団体」に移行する考えを固め、20日午前、正式にこれを表明した。 負債残高は、民間の金融機関からの一時借入金が役292億円(今年3月末)、地方債が約137億円(05年3月末)、公社や第三セク...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。