パーソナルスペース

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    資料紹介

     駅のホーム、電車やバスの中、繁華街、どこにいてもその空間を狭く感じさせるほど多種多様な人たちが都会の中で生活している。目の前を人が横切る、持っている荷物がぶつかる、すれ違いざまに肩がふれるなど、デパートや地下街の雑踏で感じる不快感や緊張感。混雑した電車の中で他人との間に感じる息苦しさ。渋滞や長い行列で順番を待つ時のいらだたしさなど、ほとんど毎日のように人や身の回りの空間によって生じるクラウディングという不快感。私たちはそんな不快さを感じながらも、少なからず都市に魅力や利便性を感じ、また、雑踏は都市に活性感を与えている。様々な顔を持つ都市空間での環境と人間とのつながりを考えてみる。
     都会でよく見られる光景のひとつに行列がある。便利な場所にある公共施設やATMには利用客が集中し、また、店先の行列によって人が集まる飲食店もある。移動している時は、瞬時に変わっていく回りの環境に意識がいき、さほど気にならなかった自分の周りの事や空間も、立ち止まり、ただ順番を待つだけの行為になると、急に他人の行動や後ろに並んだ人との距離が気になることがある。これらは私たち、各自の持つ身体を取り巻く占有空間、パーソナルスペースと関係している。
     一般に不快と感じない、他人との距離は50~60cmぐらいとされている。片手をかるく伸ばしたぐらいの位置である。私がそれ以上に空間を空けながら順番を待っていると、私の後ろに並んでいる人が、より私に接近し、前に詰めろという無言の催促を何度か受けた。また、前の人が移動したにもかかわらず移動しなかった場合は、後ろの人から「前が空いています」と言われた。これは、後ろの人が私との空間と共に列全体の空間も感じて並んでいたと考えられ、列の流れに対して、私が違う流れをしたため、結果的に私が後ろの人の空間に侵入することになって、不快さを感じたのだと思われる。また、私が後ろに並んだ人がいやに接近していると感じた時、これは私の持つパーソナルスペースに他人が侵入したと感じ、不快感が生じたためである。しかし、全ての人の持つパーソナルスペースの大きさは同じではないため、他人との間に感じる不快な距離はそれぞれ違う。私が後ろの人に対して、身体を横向きにしても、後ろの人の顔を見てもスペースを空ける気配も見せなかった。後ろに並んだ人にとっては私のパーソナルスペースに進入した意識もなく、私との空間に不快さも感じていないと考えられる。また、パーソナルスペースは体の向きによっても変わってくる。身体半分ほど列から横にはみ出した状態に立つと、後ろの人は接近する事が多くなった。そこで、完全に横にはみ出るぐらいの状態に立つと、後ろの人は私を追い越さない場所で私の前に並んでいる人に接近した。これは、後ろの人が持つ私との空間意識が、私が横にはみ出したため、私の前の人とに対する空間意識に変わった、または、後ろの人の持つ斜め前横のパーソナルスペースが小さく、私との距離が縮まったのではないかと考えられる。このように、パーソナルスペースは自分の行動だけでなく相手や周りの行動に影響されていることがわかる。一人で順番を待ち、気を紛らわせるものもなければ、後ろの人との距離に自分の感覚が集中しやすくなり、不快に感じる機会も増える。友達とおしゃべりでもしながら順番を待っていれば、それほど後ろの人は気にならなかったかもしれない。
     欧米人は非常にこのパーソナルスペースを大事に考える文化を持つという。例えば、初めて出会った人との距離はしっかり手を伸ばせるぐらいの距離、各自が60cmとして2人の間は120cm

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     駅のホーム、電車やバスの中、繁華街、どこにいてもその空間を狭く感じさせるほど多種多様な人たちが都会の中で生活している。目の前を人が横切る、持っている荷物がぶつかる、すれ違いざまに肩がふれるなど、デパートや地下街の雑踏で感じる不快感や緊張感。混雑した電車の中で他人との間に感じる息苦しさ。渋滞や長い行列で順番を待つ時のいらだたしさなど、ほとんど毎日のように人や身の回りの空間によって生じるクラウディングという不快感。私たちはそんな不快さを感じながらも、少なからず都市に魅力や利便性を感じ、また、雑踏は都市に活性感を与えている。様々な顔を持つ都市空間での環境と人間とのつながりを考えてみる。
     都会でよく見られる光景のひとつに行列がある。便利な場所にある公共施設やATMには利用客が集中し、また、店先の行列によって人が集まる飲食店もある。移動している時は、瞬時に変わっていく回りの環境に意識がいき、さほど気にならなかった自分の周りの事や空間も、立ち止まり、ただ順番を待つだけの行為になると、急に他人の行動や後ろに並んだ人との距離が気になることがある。これらは私たち、各自の持つ身体を取り巻く占有空間、パ..

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