美術概論Ⅰ

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    『美術嫌いになる原因を具体的事例からさぐり、楽しい・わかる・できる授業を通して好きにさせるための手立てを、学習指導要領の目標及び内容・方法と関連づけて述べなさい』
    学習指導要領 第2章第7節 図画工作の目標として、「表現及び鑑賞の活動を通して,つくりだす喜びを味わうようにするとともに造形的な創造活動の基礎的な能力を育て,豊かな情操を養う」と記されている。この中で『つくりだす喜びを味わうようにする』とあるが、低学年では図工が好きな児童の方が多いにもかかわらず、学年が進むにつれて図工が嫌いと答える児童の数は増加していく傾向にある。このことは学習指導要領の目標が達成できていないという確かな証拠であり、この問題は今日の学校教育における図画工作が抱えている課題の一つである。
    美術嫌いになる理由として、自分の作品に対する見方の変化が考えられる。つまり、児童の知的な発達に伴い、自分の作品を周りの友達と比較し、客観的に評価するようになるからである。低学年のうちは『らくがき』のように自分の作りたいものを表現するだけで多くの場合は満足する。しかし、学年が進むにつれて、他人や手本と比べ、それよりも劣っていたときの劣等感から次第に美術嫌いへと向かってしまうのではないだろうか。言い換えれば、『造形的な創造活動の基礎的な能力』が未発達ゆえに、作品を通して自分の表現したいものをうまく表現できないことへの歯がゆさ・苛立ちから、次第に美術嫌いになってしまうのではないだろうか。
    そこで、どういった場面で美術嫌いになる可能性があるのかを具体的に考えてみる。
    例えば、学習指導要領の目標を取り入れることなく、「上手な絵」を描かせることを生徒に押し付け、特定の表現様式への到達を子どもに求めるとどうなるだろうか。当然、子どもたちの個性は表現されず、『つくりだす喜びを味わう』ことは出来ないだろう。また、明確な到達目標を設定したことによって、能力の未発達な子どもにとっては苦痛に感じるかもしれない。このような、図工特有の教育観をうまく実践出来ていないことによって、子どもたちが美術嫌いになることもあるのではないだろうか。また、自分が納得して作り上げた作品を他の生徒にけなされ、笑われることや、完成直前に大きな失敗をしてしまい作品が台無しになったことが原因で美術嫌いになることも多いと思われる。さらに、「図工は楽しみながら自分なりに表現すれば良い」という教師の言葉を信じ、苦手ながらも積極的に取り組む生徒がいたとする。もちろん、『つくりだす喜びを味わう』ことは大事だが、当然作品に対する評価もしなければならない。その結果、良い成績を得ることが出来ず、そこから教師に対する不信感や、やる気の低下によって美術嫌いになるというケースも考えられるかもしれない。
     では、子どもが美術嫌いにならないようにするためにはどのような工夫が必要なのだろうか。
    当然のことながら、授業を『楽しい』と思わせることが第一である。楽しい授業とは、子どもたちが自ら「描きたい」、「つくりたい」という自発性から出発できる授業のことである。しかし、ほめることで子どもが解放された気持ちになって、その結果、楽しい授業が出来るというような勘違いが見られる。子供にとっては「上手ね」、「素敵ね」などという決まり文句でおだてられるより、「楽しかったね」、「うれしかったね」といった子どものその表現の根本にある心情や、子どもが伝えたかったことに即した共感による受け止めが大切である。
    その子なりの表現が常に共感的に理解され、受容される環境への信頼があって初めて子ども

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    『美術嫌いになる原因を具体的事例からさぐり、楽しい・わかる・できる授業を通して好きにさせるための手立てを、学習指導要領の目標及び内容・方法と関連づけて述べなさい』
    学習指導要領 第2章第7節 図画工作の目標として、「表現及び鑑賞の活動を通して,つくりだす喜びを味わうようにするとともに造形的な創造活動の基礎的な能力を育て,豊かな情操を養う」と記されている。この中で『つくりだす喜びを味わうようにする』とあるが、低学年では図工が好きな児童の方が多いにもかかわらず、学年が進むにつれて図工が嫌いと答える児童の数は増加していく傾向にある。このことは学習指導要領の目標が達成できていないという確かな証拠であり、この問題は今日の学校教育における図画工作が抱えている課題の一つである。
    美術嫌いになる理由として、自分の作品に対する見方の変化が考えられる。つまり、児童の知的な発達に伴い、自分の作品を周りの友達と比較し、客観的に評価するようになるからである。低学年のうちは『らくがき』のように自分の作りたいものを表現するだけで多くの場合は満足する。しかし、学年が進むにつれて、他人や手本と比べ、それよりも劣っていた..

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