4-7 g 因子が 2 となる理屈

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    g 因子が 2 となる理屈
    ようやく約束を果たす。
    電磁場中の方程式
     いよいよ「 スピンとは何か 」の記事中に書いた約束を果たすことにしよう。 スピンの場合に g 因子が 2 となる理由を論理的に示すことにする。
     残念ながらスピンの持つ全ての性質を、我々が触れることの出来るような具体的な図形に例えて説明することについてはすでに諦めの境地にある。 よってこの度もそのような図形的な説明は期待しないでもらいたい。 ただ論理で示すくらいしかできない。 論理を示すのに、数式ほど便利な道具があるだろうか。
     では早速始めよう。 解析力学のページですでに説明したことだが、電磁場中に置かれた電荷のハミルトニアンは次のように表せるのだった。
     ハミルトニアンはエネルギーを表しているのだった。 これは非相対論的な粒子のエネルギーの式 E = p2/2m + V において、
    という置き換えをしたものである。 ここでの e は粒子の電荷を意味している。 特に電子の電荷に限った話ではないので、電子について考える場合にはここに負の値を代入すべきである。 この処方をディラック方程式にも適用してやると、
    と書けるであろう。 波動関数と静電ポテンシャルの記号が同じ で被ってしまうので、 4 成分の波動関数を で表してある。 このような非相対論的な場合の処方を相対論にもそのまま適用してもいいのかどうかについては今の私には確信はないので、いずれ良く調べた上で納得のいく解説記事をどこかに書くことにしよう。
    近似しないと話が進まない
     上で作った「電磁場中のディラック方程式」を変形することによってスピンと磁場の関係を分かりやすく表示できれば、それだけで今回の目的は達成できる。 しかし少し前の記事「 4 成分の意味 」の最後で話したように、この解は 4 成分で表され、p ≠ 0 の場合には各成分が複雑に絡み合って非常に面倒なことになるのだった。 我々が以前に議論したような 2 成分のスピノルに話を合わせるためには、 mc >> |p| の場合の近似を使う必要がある。
     あるエネルギー状態 E にある粒子の波動関数 の時間依存部分は exp{ -i(E/ )t } と表せる。 ところがエネルギー E は mc >> |p| の場合には
    と近似できるのであった。 そこで、今後の式変形が楽になるようにこの最初の項だけを取り分けて、4 成分の波動関数を
    と表しておくことにしよう。 ここで出てきた と はそれぞれ 2 成分の波動関数である。 これらの関数にもまだ僅かながら時間に依存する部分が残っていると考えるべきである。 これを先ほどの式に代入してやって α、β を、
    として計算してやると、
    という 2 つの式に分離出来る。 少し途中を飛ばし過ぎただろうか? 左辺の時間微分を計算した後は時間依存の指数部分は邪魔なだけなので、両辺をこれで割って消してしまってあるのである。 さらによく見ると、両辺で mc2 の項が共通しているので、
    とまとめられるだろう。 この簡略化をやりたいがために mc2 だけを指数部分に取り分けておいたのだった。
     さて、この (2) 式の左辺第 2 項の時間微分を計算してやっても、そこから出てくる量は第 1 項にある mc2 に比べてほとんど無視できる程度だろうと考えることにする。 これが非相対論的近似である。 さらに右辺の第 2 項には e という量があって が掛かっているので、左辺との比較の対象になる。 これは電場が粒子を加速するエネルギーである

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    g 因子が 2 となる理屈
    ようやく約束を果たす。
    電磁場中の方程式
     いよいよ「 スピンとは何か 」の記事中に書いた約束を果たすことにしよう。 スピンの場合に g 因子が 2 となる理由を論理的に示すことにする。
     残念ながらスピンの持つ全ての性質を、我々が触れることの出来るような具体的な図形に例えて説明することについてはすでに諦めの境地にある。 よってこの度もそのような図形的な説明は期待しないでもらいたい。 ただ論理で示すくらいしかできない。 論理を示すのに、数式ほど便利な道具があるだろうか。
     では早速始めよう。 解析力学のページですでに説明したことだが、電磁場中に置かれた電荷のハミルトニアンは次のように表せるのだった。
     ハミルトニアンはエネルギーを表しているのだった。 これは非相対論的な粒子のエネルギーの式 E = p2/2m + V において、
    という置き換えをしたものである。 ここでの e は粒子の電荷を意味している。 特に電子の電荷に限った話ではないので、電子について考える場合にはここに負の値を代入すべきである。 この処方をディラック方程式にも適用してやると、 ..

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