4-4 4 成分の意味

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    4 成分の意味
    相対論万歳!
    解の意味を探る
     ディラック方程式に含まれる係数が大体どんな値をとるのかという傾向が分かって一安心できたので、次は解の解釈を試みよう。 4 つの状態が絡み合う形の解とは一体何を意味しているのだろうか。
     方程式の各係数 α、β としては、何もパウリ表現だけが特別だということはなくて、これをユニタリ変換したどんなものも同様に許されるのだった。 方程式全体をユニタリ変換すれば別の形の係数を持つ方程式に変換できるが、そのようにしたところで物理的内容は変わらない。 それで、比較的すっきりしているパウリ表現を使って説明することができれば、同じことが他の係数を選んだ時にも成り立っていることになる。
     分かり易いように、次のような形の解を考えよう。
     この指数部分は平面波を表しており、この式は自由粒子を意味する。 ディラック方程式は線形であるから、このような簡単な形の解の重ね合わせもまた解である。 簡単な解に分解して個別に考えようというわけだ。
     4 成分のベクトルである w は、x や t には依存しないとする。 x や t に応じて変化するような要素は指数部分に委ねてしまって、残った w の部分がどういう形になるのかをなるべく簡単な形式で得ようという魂胆である。 この式をディラック方程式に代入すると、w が満たすべき条件が導かれる。
     これを見ると両辺を w で割って消去してしまいたくなるが、 w は列ベクトルであり、行列の計算をしているのだからそういうわけにも行かない。 この α , β に前回求めたパウリ表現を当てはめてやると、この式は面白いほどすっきりとまとまる。
     前回から何度も言っているが、この行列の各要素は 2 行 2 列の行列であって全体では 4 行 4 列である。 w もこの形式に合わせて 2 成分ずつに分けて表記してやると、この後、都合がいい。
      と はそれぞれ 2 成分の列ベクトルである。 これを代入すれば
            (1)
    となり、ここから次の二通りの式が得られるであろう。
     もう少しまとめて書くと分かりやすい。
            (2)         (3)  まだ具体的な結論は出ていないが、一歩手前まで来ている。 これらの式を使ってエネルギーの話とスピンの話の二通りの話ができるので、ここでひとまず段落を変えよう。
    負エネルギー解
     上で導いた式を見て、まずやってみたくなるのは、 (3) 式を (2) 式に代入して を消去することであろう。
      は列ベクトルであり、単純に両辺を で割るわけには行かない。 しかし、右辺の第 2 項を詳しく計算してやると、
    という、単位行列に p2 を掛けただけのものだと分かるから、 の中身がどんな成分であろうとも、
            (4)
    という関係式が成り立っている事が言える。 これは特殊相対論でお馴染みの式である。 今さらこの結果を見て感動する人は少ないだろう。 そもそもこの式を元にしてディラック方程式を作ったのだから、当たり前の結論だと言える。
     しかし考え方を逆転させてみよう。 ディラック方程式に従う波動は、「自動的に」相対論的な関係を満たす事になると言っているのだ。 ディラック方程式こそこの世界の根源的な法則であって、相対論的な関係式はその結果として表れているのかも知れない! まぁ、特殊相対論は時空の歪みに関連する理論に発展しているので、この考えはあまりにも楽天的すぎるわけだが。
     とにかくこの式によれば、エネルギー E

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    4 成分の意味
    相対論万歳!
    解の意味を探る
     ディラック方程式に含まれる係数が大体どんな値をとるのかという傾向が分かって一安心できたので、次は解の解釈を試みよう。 4 つの状態が絡み合う形の解とは一体何を意味しているのだろうか。
     方程式の各係数 α、β としては、何もパウリ表現だけが特別だということはなくて、これをユニタリ変換したどんなものも同様に許されるのだった。 方程式全体をユニタリ変換すれば別の形の係数を持つ方程式に変換できるが、そのようにしたところで物理的内容は変わらない。 それで、比較的すっきりしているパウリ表現を使って説明することができれば、同じことが他の係数を選んだ時にも成り立っていることになる。
     分かり易いように、次のような形の解を考えよう。
     この指数部分は平面波を表しており、この式は自由粒子を意味する。 ディラック方程式は線形であるから、このような簡単な形の解の重ね合わせもまた解である。 簡単な解に分解して個別に考えようというわけだ。
     4 成分のベクトルである w は、x や t には依存しないとする。 x や t に応じて変化するような要素は指数部..

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