3-7ベルの不等式

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    ベルの不等式
    この話がしたくてスピンの記事を書いてきた。
    量子力学は間違っている?
     アインシュタインは量子力学に反対した。 しかし決して邪魔したわけではない。 彼は人一倍考えていた。
     真剣になって考え、反対してくれる人がいるのは心強いものだ。 誰もが彼に相談に行く。 厳しい反対者でさえ認めるくらいの理論が作れれば理論は完成したと見ていい。 それほど彼は信頼されていた。 彼は目立たないところにいたが常に量子力学建設の中心人物の一人だったのだ。
     いや待てよ、本当に中心だったかなぁ・・・? 脇の方でボーアとアインシュタインが論争していてくれたお陰で、他の人たちが自分の研究に集中できたという雰囲気も感じないではない。
     彼は量子力学に弱点を見つけた。 理論にほころびがあると指摘した。 多くの人がその点を修正してより良い理論を作ろうと思った。 一方、無視して理論を発展させることに集中した人も多くいた。
    EPRパラドックス
     その弱点を指摘した論文は弟子たちと連名で発表したため、「アインシュタイン・ポドルスキー・ローゼンのパラドックス」と呼ばれている。 頭文字だけを取って「EPRパラドックス」と呼ぶことが多い。 1935年の発表だから、量子力学の基礎的なところはほとんど完成しており、議論がかなり落ち着いた頃の話だ。 その論文に書かれている哲学的意味はとても深いのだが、そこを省いて興味あるところだけを要約して、さらに現代の視点で解釈し直せば(・・・やりすぎか)、次のようなとても簡単な話でしかない。
     もともとスピンが0である粒子が反応して、結果、スピンを持つ粒子2つが一度に生成されたとする。 この粒子のスピンが上向きか下向きかは測定するまで分からないが、一方を測定して上向きだったなら、もう一方は必ず下向きである。 そうでなければ角運動量保存則に反するだろう。
     量子力学では測定するまで結果が単に分からないというのではなく、状態がどちらとも定まっていないと主張しているのだった。 しかしこの場合、一方の粒子を測定して結果を知ってしまうと、もう一方は測定しなくても状態が定まってしまっているという奇妙なことが起きている。 一方の粒子を測定した事の影響がどのようにして他方に伝わるというのだろう。 これがアインシュタインの疑問だ。
     光の速さより速く情報を伝える具体的な仕組みがあるのだとしたら、相対性理論に反する。 しかし一方を測定したという情報が無限の速さで伝わるのでない限り、角運動量保存則に反する事態が起こり得るのではないだろうか。 例えば二人の観測者が、互いに離れ去ったペアの粒子をそれぞれの場所で測定するとき、一方での観測結果が他方に伝わる前にもう一人も観測してしまったとしたら・・・。 量子力学の解釈ではそれぞれの観測結果は確率で決まるというのだから、両方ともがスピン上向きの結果を得るなんてことも起こってしまうのではないだろうか。 すなわちこれはパラドックスである。
    大切な注: 原論文ではこのことがもっと数学的に記述されている。 だからこそ多くの学者が彼らの意見を放っておくわけにはいかなかったとも言える。 その論文にはスピンの話なんかは出てこなくて、波動関数による抽象的な議論に終始している。 例として精々位置や運動量が出てくるくらいだ。  この話がスピンの話と結び付くのはもっとずっと後の事であり、アインシュタインの主張を確認する現実的な手段としてボームにより提案されたのが1951年のことだ。 しかしその提案当時でさえ、それはまだ思考実験に過ぎなかっ

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    ベルの不等式
    この話がしたくてスピンの記事を書いてきた。
    量子力学は間違っている?
     アインシュタインは量子力学に反対した。 しかし決して邪魔したわけではない。 彼は人一倍考えていた。
     真剣になって考え、反対してくれる人がいるのは心強いものだ。 誰もが彼に相談に行く。 厳しい反対者でさえ認めるくらいの理論が作れれば理論は完成したと見ていい。 それほど彼は信頼されていた。 彼は目立たないところにいたが常に量子力学建設の中心人物の一人だったのだ。
     いや待てよ、本当に中心だったかなぁ・・・? 脇の方でボーアとアインシュタインが論争していてくれたお陰で、他の人たちが自分の研究に集中できたという雰囲気も感じないではない。
     彼は量子力学に弱点を見つけた。 理論にほころびがあると指摘した。 多くの人がその点を修正してより良い理論を作ろうと思った。 一方、無視して理論を発展させることに集中した人も多くいた。
    EPRパラドックス
     その弱点を指摘した論文は弟子たちと連名で発表したため、「アインシュタイン・ポドルスキー・ローゼンのパラドックス」と呼ばれている。 頭文字だけを取って「EPRパラド..

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