2-5運動量表示

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    運動量表示
    波動関数を別角度から見る。
    運動量を示すベクトル
     シュレーディンガー方程式を立てた時のことを思い出してもらいたい。 波動関数を位置座標で微分して -i を掛けることで運動量を取り出せるのであった。 どうやら波動関数には位置についての情報の他に、運動量についての情報も「同時に」含まれているようである。  前回は波動関数が無限の座標ベクトルの組み合わせで表現できることを確認したが、このように表された状態ベクトルの一体どこに運動量の情報が隠されているというのだろう?
     無限の座標ベクトルと直交する別の無限個のベクトルがあって、それらの方向が運動量を表しているなどと考えるのは無理がある。 波動関数は座標ベクトルの組み合わせだけですでに完全に表されているではないか。 もしそんなベクトルがあれば、それは座標ベクトルと区別がつかないものになるだろう。 座標ベクトルだって他の全ての座標ベクトルと直交しつつ無限に存在するのだから。
     では座標ベクトルとは直交しない形で存在する何らかのベクトルが運動量の情報を指し示していると考えればいいのだろうか。 とりあえずそれを「運動量ベクトル」と呼び、 |p> と表すことにしよう。 粒子がある特定の運動量を確実に持つという状態にあれば、ある一つの運動量ベクトルの方向を向いていることになる。 当然のことだが、確実にある運動量を持つという状態は、別の運動量を持たない状態であるから、やはりこれらのベクトル |p> どうしもこの空間内で直交して存在していると考えられる。
     以上の説明で、位置と運動量を同時に決められないという量子力学の論理構造をイメージとして掴んでもらえたのではないかと思う。 状態ベクトルが、ある一つの座標ベクトルの方向を向きながら同時にある一つの運動量ベクトルの方向を向くことは不可能なのだ。
     ではそのような運動量ベクトルと座標ベクトルの位置関係は一体どのようなものなのだろうか。 内積を取れば、0以上1以下の範囲にあることは確かだ。 0と1は含まないであろう。 0なら直交してしまうし、1なら重なってしまうからだ。 しかし現段階ではこれ以上のことは分からない。  別の視点から考え直そう。
    指数関数への分解
     波動関数から運動量を取り出すときに、微分しても関数の形が変わらないことが大切であった。 関数の形が変わってしまえば、変形後の関数の一体どの部分が中から飛び出してきた運動量の値を表しているかの判別が付かなくなってしまう。 そういうことがないように指数関数を使ったのだった。 指数関数ならば確実にどんな運動量を持つかが調べられる!  というわけで波動関数を多数の指数関数に分解して考えてみたらどうだろうか。 何とうまい具合だろう。 実際これが出来るのだ。  次のような指数関数の組み合わせは -π ≦ x ≦ π の範囲内で完全直交系になっているのである。
     ただし、このままでは規格化されていないので自分自身との内積を取った時にちゃんと1になるように係数を付けてやる必要がある。 例えば、eix の場合には、
    という具合になるが、この計算を見ればどの関数にも同じ係数を付けてやればいいことが分かるだろう。
     範囲がこれでは使いにくいというのであれば x のスケールをいじることで、 -L ≦ x ≦ L の範囲で完全直交系になるようにも出来る。 係数も付け直さなければならないが大した作業ではない。
     一番左の は運動量が p = π/L である状態を表す。 次は p = - π/L である状態。 順に

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    運動量表示
    波動関数を別角度から見る。
    運動量を示すベクトル
     シュレーディンガー方程式を立てた時のことを思い出してもらいたい。 波動関数を位置座標で微分して -i を掛けることで運動量を取り出せるのであった。 どうやら波動関数には位置についての情報の他に、運動量についての情報も「同時に」含まれているようである。  前回は波動関数が無限の座標ベクトルの組み合わせで表現できることを確認したが、このように表された状態ベクトルの一体どこに運動量の情報が隠されているというのだろう?
     無限の座標ベクトルと直交する別の無限個のベクトルがあって、それらの方向が運動量を表しているなどと考えるのは無理がある。 波動関数は座標ベクトルの組み合わせだけですでに完全に表されているではないか。 もしそんなベクトルがあれば、それは座標ベクトルと区別がつかないものになるだろう。 座標ベクトルだって他の全ての座標ベクトルと直交しつつ無限に存在するのだから。
     では座標ベクトルとは直交しない形で存在する何らかのベクトルが運動量の情報を指し示していると考えればいいのだろうか。 とりあえずそれを「運動量ベクトル」と呼..

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