4-2光の湾曲

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    光の湾曲
    相対論の検証って すごいレベルで行われているんだね。
    歴史
     質量を持たないはずの光でさえ重力に引き寄せられて曲がる。 これは一般相対論が予言した重要な現象の一つである。  この現象がとても奇妙なことのように思えてしまうのは、ニュートン力学の考えに慣れてしまっているからであろう。
     ニュートン力学では重力というものを、質量と質量の間に働く力だと解釈しているからだ。 光は質量を持たないのだから引っ張られる理由が無いと考えてしまう。
     実は光は引き寄せられて曲がるのではなくて、相変わらず真っ直ぐ進んでいるのである。 空間が曲がっている為に、傍から見れば曲がったコースを進むように見えるだけなのだ。
     ところが驚いたことに、相対論が発表される100年以上も昔から、光が重力によって曲がるという理論は存在していたのである。 ええ! 何だって!? いや、間違いじゃない。 それは何と、ニュートン力学を使って計算されていたのだ。
     おかしな話だと思う人もいるだろう。 しかし、光に質量があるかないかなんて事は当時はまだ論じようがなかったし、重要な問題でもなかったのである。 当時は電磁波という概念もなかった。 光が波であるか粒子であるかさえ、まだ意見が対立していた時代の事だ。 光を粒子として考えてやれば、光の質量が分らなくとも、その軌道を計算してやることは出来るのである。
     地球の周りを運動する質点についてニュートン力学で計算する時、その軌道は質量には関係無い事が分かる。 もし人工衛星が二つに割れたなら、その瞬間から二つのパーツは全く別々の軌道を辿ることになるだろうか? だとしたらおちおち宇宙遊泳などしていられない。  質点の軌道を決めているのはその速度なのである。 どんなに小さな質量のものであろうと、逆に大きな質量のものであろうと、初速と投射方向が同じならば、その後は同じ軌道を辿ることになる。
     だから光に対して同じ理屈を適用してやるのは自然な考えではないか。 秒速30万キロメートルで進む物体と同じだと見なして計算してやればいいだけだろう。 ただしニュートン自身がこのようなことを考えたのではなかった。 別の理論家たちによって、たびたびこのようなことが論じられていたのである。
     このように理論はあったものの、昔はまだ観測精度が高くなかったので、この現象が起こるかどうかを確認する事のないまま、時代は過ぎて行った。
     ニュートン力学による計算と一般相対論による計算とでは曲がり具合の数値にちょうど 2 倍の差が出る。 相対論は、より強く曲がるだろうという予想を出した。 これによってどちらの理論がより優秀であるかを比較してやる事ができるではないか。
     このことについての歴史上初めての確認は、1919 年、エディントン卿の観測隊により、日食を利用して行われた。
     太陽と同じ方向にある星というのは普段はまぶしくて見ることができない。 昼には星は見えないものだ。 しかしその星は別の季節ならば太陽とは違う方向にあるので、夜に見ることができて、その位置も良く分かっている。 しかし、日食で太陽が月に覆われた時だけは、その星が昼間にも見えるのである。  その時にその星が本来見えるべき位置と比べて、少しずれた別の場所に見えたとしたら、それは星からの光が太陽の重力で曲げられた事を意味する可能性があるわけだ。
     しかしこの効果は実に微妙なものである。 太陽の質量では空間はそれほど強く曲げられない。 理論的には 1.75 秒角だというから、そのずれは太陽の視直径の約

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    光の湾曲
    相対論の検証って すごいレベルで行われているんだね。
    歴史
     質量を持たないはずの光でさえ重力に引き寄せられて曲がる。 これは一般相対論が予言した重要な現象の一つである。  この現象がとても奇妙なことのように思えてしまうのは、ニュートン力学の考えに慣れてしまっているからであろう。
     ニュートン力学では重力というものを、質量と質量の間に働く力だと解釈しているからだ。 光は質量を持たないのだから引っ張られる理由が無いと考えてしまう。
     実は光は引き寄せられて曲がるのではなくて、相変わらず真っ直ぐ進んでいるのである。 空間が曲がっている為に、傍から見れば曲がったコースを進むように見えるだけなのだ。
     ところが驚いたことに、相対論が発表される100年以上も昔から、光が重力によって曲がるという理論は存在していたのである。 ええ! 何だって!? いや、間違いじゃない。 それは何と、ニュートン力学を使って計算されていたのだ。
     おかしな話だと思う人もいるだろう。 しかし、光に質量があるかないかなんて事は当時はまだ論じようがなかったし、重要な問題でもなかったのである。 当時は電磁波と..

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