3-7ビアンキの恒等式

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    ビアンキの恒等式
    いよいよ大詰め。 真打登場!
    リーマンテンソルの対称性
     前にリーマンテンソルの対称性を表す次のような式を紹介した。
         (1)      (2)
     その時の約束どおり、今回はこれらを証明する方法を紹介しておこう。
     リーマンテンソルの定義はクリストッフェル記号だらけで複雑すぎて嫌になる。 こんな時に有効なのが、前に説明した局所直線座標系の考えである。 つまりある点で接続係数(クリストッフェル記号)が0となるような座標系を使えば、リーマンテンソルが簡単になるだろうと期待できる。 そのような点の上で先ほどの関係式を証明してやればいい。 その関係式はテンソルで書かれているので、その特別な座標系以外でも成り立つと言えるわけだ。
     まず4階共変テンソルに直したリーマンテンソルを定義に従って書き下すと
    となっているが、今考えている地点では後の2つの項は消えてしまう。 しかし前の2つの項は生き残る。 なぜなら0に出来るのはある点での接続係数だけであって、その微分までも0には出来ないからである。
     さらにこれを定義に従って展開してみよう。
     ところでここに使われている計量 gij は直線座標系での計量 g~ijになっている。 というのも、接続係数が0だということは、テンソルを平行移動させても値が変わらないということであり、そういう座標系は直線座標系だからである。 つまりこの点の付近に限っては、計量の1階微分は0である。
     このことから上の式が全て0になってしまうのだと勘違いしてはいけない。 1階微分が0でも2階微分まで0だとは言えない。 1階微分したものにこの辺りの座標を代入すると0になるというだけである。 2階微分したものにこの辺りの座標を代入すると0になっていないということはある。
     R ij,kl の定義がここまで簡略化できれば上の4つの関係式を確かめるのは以前に比べてかなり楽になるだろう。 というわけで後は読者に任せる事にしよう。
    ビアンキの恒等式
     ( 2 ) 式を導くにはもっと別の方法もある。
     まず、 共変微分の交換関係 を確認した時の式を用意する。
     そしてこの式全体の共変微分を取ってやる。
         (3)
     この式はとりあえずこのままにして、次に、この式に良く似た次の関係式を導く。
         (4)
     この式を導くのは手間がかかるが、それほど難しくはない。 私も記事を書いている責任があるので自分でやってみたが、計算と言うよりはまるでパズルのようだった。 ここに長ったらしい式変形を書くと説明の流れが悪くなるので読者の計算練習としておこう。 (3) 式から (4) 式を引いたものは、
         (5)
    と書ける。 この式の添え字 j, k, l を入れ替えてやると、次の式を得る事が出来る。
         (6)      (7)
     そして (5)、(6)、(7) 式の和を取ってやるとなんとその左辺は0になる。 なぜなら次のような「ヤコビの関係式」というものがあって、ちょうどその形に当てはまるからである。
    [a, [b, c]] + [b, [c, a]] + [c, [a, b]] = 0
     この関係式は定義に従って展開すれば誰でもすぐに証明できる程度のものだ。
     結局、次のようにまとめて書けるだろう。
     この式から次の2つの関係式が常に成り立っていることが言える。 添え字は私の好みで付け替えてある。
         (8)      (9)
     証明はこれで終わりである。 (8)

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    ビアンキの恒等式
    いよいよ大詰め。 真打登場!
    リーマンテンソルの対称性
     前にリーマンテンソルの対称性を表す次のような式を紹介した。
         (1)      (2)
     その時の約束どおり、今回はこれらを証明する方法を紹介しておこう。
     リーマンテンソルの定義はクリストッフェル記号だらけで複雑すぎて嫌になる。 こんな時に有効なのが、前に説明した局所直線座標系の考えである。 つまりある点で接続係数(クリストッフェル記号)が0となるような座標系を使えば、リーマンテンソルが簡単になるだろうと期待できる。 そのような点の上で先ほどの関係式を証明してやればいい。 その関係式はテンソルで書かれているので、その特別な座標系以外でも成り立つと言えるわけだ。
     まず4階共変テンソルに直したリーマンテンソルを定義に従って書き下すと
    となっているが、今考えている地点では後の2つの項は消えてしまう。 しかし前の2つの項は生き残る。 なぜなら0に出来るのはある点での接続係数だけであって、その微分までも0には出来ないからである。
     さらにこれを定義に従って展開してみよう。
     ところでここに使われ..

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