1-12相対性原理の実践

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    相対性原理の実践
    物理の革命とはこのことを言うのだ。
    相対性原理
     「相対性原理」とはあらゆる慣性系が同等であり、それぞれの系で同じ形の法則が成り立つことを要求するものである。  これからその要求を満たすような形式で法則を記述していくことを考えてみよう。 まず手始めに力学法則からである。
     ニュートンの運動方程式
    F = ma
    は相対性原理の要求を満たしていない。 なぜなら、ここで出てくる力 F は3次元の量であり、空間座標に沿って測られる量である。 よって力は座標と同じ変換を受ける。 しかしローレンツ変換では空間座標と時間軸とがお互いに交じり合うので、力 F を無理やりローレンツ変換しようとすると「力の時間軸方向の成分」などという訳の分からない量が追加されることになってしまうのである。 これはローレンツ変換によって法則の性質が変わってしまうことを意味しており、相対性原理にはふさわしくない関係式だというわけだ。
     ではどうすればよいかと言えば、始めから「力の時間軸方向の成分」という訳の分からない量を認めてしまって、「力は4次元ベクトルで表される量である」と開き直ってしまえばいいのである。 この量を4つの成分を持つ力という意味で「4元力」と呼ぶ。 3元力である F と区別するために、ここの解説では f ( f0 , f1 , f2 , f3 ) という記号を使って表すことにしよう。 なぜ添え字が右上に書いてあるかは、次のトピックで反変ベクトルや共変ベクトルについて学べば理解できるようになるだろう。 今はあまり気にしなくてもいい。 とにかくこういう量を作っておけば、4元力をローレンツ変換した結果はやっぱり4元力の範囲に収まるのであり、法則そのものが変わってしまうことは無くなる。
     何か屁理屈のようだが、こういう条件を満たす法則こそが宇宙の真実の姿を表す法則として美しい、とアインシュタインは考えたわけだ。
    相対論的な運動方程式
     力を4元力に拡張しただけで喜んでいてはいけない。 これを使って何か関係式を見出さなくては、この量が一体何を意味しているのか知ることが出来ない。 我々は他のものとの関係によって物事の意味を把握するのである。
     例えば、ニュートンの運動方程式が F = dp/dt のように表せることに倣って
    f = dp/dt
    という式を考えてはどうだろうか? もちろん f は4元量なので、運動量 p も4つの成分を持っていなくては式がアンバランスだ。 しかしこれについては4元運動量というものがあることをすでに説明した。 さて、この関係式はローレンツ変換してもちゃんと成り立つのだろうか?
     実はあまり計算する必要も無い。 すでに4元力と4元運動量はローレンツ変換しても4元力と4元運動量であることに変わりないことが分かっている。 問題なのは右辺の微分の分母のところにある時間 t だ。 時間 t はローレンツ変換によって空間座標と混じりあうので、このような量がそのまま式の中に入っていると式の形自体が変わってしまい、相対性原理に反することになってしまう。
     本当はここでその「うまく行かない」計算を具体的にしようかと思ったのだが、運動量を空間座標で微分するという見慣れない計算をしてもいいものかどうか、その計算に意味があるのかどうかで混乱してしまい、結局省くことにした。 道理でこういう危うい部分を載せている教科書を見かけないわけだ。
     この解決法は簡単である。 時間微分の代わりに固有時で微分してやればいい。 固有時は座標系によって変化

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    相対性原理の実践
    物理の革命とはこのことを言うのだ。
    相対性原理
     「相対性原理」とはあらゆる慣性系が同等であり、それぞれの系で同じ形の法則が成り立つことを要求するものである。  これからその要求を満たすような形式で法則を記述していくことを考えてみよう。 まず手始めに力学法則からである。
     ニュートンの運動方程式
    F = ma
    は相対性原理の要求を満たしていない。 なぜなら、ここで出てくる力 F は3次元の量であり、空間座標に沿って測られる量である。 よって力は座標と同じ変換を受ける。 しかしローレンツ変換では空間座標と時間軸とがお互いに交じり合うので、力 F を無理やりローレンツ変換しようとすると「力の時間軸方向の成分」などという訳の分からない量が追加されることになってしまうのである。 これはローレンツ変換によって法則の性質が変わってしまうことを意味しており、相対性原理にはふさわしくない関係式だというわけだ。
     ではどうすればよいかと言えば、始めから「力の時間軸方向の成分」という訳の分からない量を認めてしまって、「力は4次元ベクトルで表される量である」と開き直ってしまえばいい..

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