1-7カルノーサイクル

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    カルノーサイクル
    熱力学の第2法則
    熱源が2つだけの機関
     熱力学の第2法則では仕事と熱に関する表現が出てきており、熱機関を意識したものになっている。 熱機関について考察することで、第2法則を表現する数式を見つけることが出来るかもしれない。 なるべく単純なものから考えていこう。
     一つの熱源だけで動作し続ける機関はトムソンの原理に引っかかるので考えるだけ無駄だろう。 よって一番単純な熱機関は二つの熱源(高熱源と低熱源)の間で動作するものだということになる。 その動作を図にすると次のようなサイクルになる。
     これは「カルノーサイクル」と呼ばれるものである。 右回りすれば、高熱源から熱を受け取り、その一部を仕事に変えて残りの熱を低熱源に捨てる動作をする。 また準静的過程であるので逆回りも可能であり、仕事を加えることで低熱源から熱を拾って高熱源へとくみ上げる動作をさせることも出来る。 2つの動作を区別するために、前者を「順カルノーサイクル」後者を「逆カルノーサイクル」と呼ぶことがある。
     赤と青の線で表した部分は等温変化であって、熱源が2つあることに対応している。 これらは反比例のグラフになるはずなので、かなりデフォルメされている図であることが分かる。 正確に描こうとするとかなり細長くなってしまってかっこが付かないのでわざと崩してある。 赤線が気体が高温側に接して熱平衡を保ちながら変化する状態、青が低温側に接している状態を表している。 それぞれの熱源は非常に大きくて、少々の熱が移動したくらいでは温度は変わらないとする。
     この二つの温度の間を熱平衡を保ちながら変化させるには断熱変化しかありえない。 もしこの変化の途中に外部との熱のやり取りを行わせるならば、熱平衡を保つために外部の温度をシリンダー内の気体と同じ温度にしなければならず、外部の温度を徐々に変化させる必要があるだろう。 それでは「二つの熱源のみ」を考えた意味がない。
     ところで、先ほどはトムソンの原理に反するからという理由で考えるのをやめたが、一つの熱源のみと断熱変化の組み合わせでは輪が作れないのは明らかだろう。
    カルノーサイクルが大切な理由
     こんな単純な機関を考えたところでとても現実からは掛け離れていて役に立ちそうにもないと思うかもしれない。 ところが次の図を見てもらいたい。
     沢山の等温曲線と沢山の断熱曲線が描かれている。 こちらは割と正確に描いた線だ。 そしてその中に大小さまざまなカルノーサイクルがあるのが分かるだろう。 これらの線はもっと細かく描くことも出来るが、等温曲線どうしは決して交わることはないし、断熱曲線どうしも同じである。 よって無限に細かい多数のカルノーサイクルが描けることになる。
     つまり準静的過程である限りはどんな形のサイクルであろうと、このひしゃげた細かい網目の組み合わせで表現できてしまうのである。 このことをどうやって応用するかはその時に説明するが、とにかくこれからやることはもっと広い範囲のことを説明するための大切な基礎部分であることを頭に置いていてもらいたい。
     カルノーサイクルが理論上だけの存在で、現実には存在しないものだという誤解もなくした方がいい。 カルノーサイクルは理想的なものではあるが、それにいくらでも近い状態を作り出して実験することが可能なのだ。 準静的過程を保つために数日かけて1サイクルを実現するようなカルノーサイクルの実験装置も存在している。 科学は絶対に実験を通して検証することが必要だという態度が頑なに守られていることが分かる話

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    カルノーサイクル
    熱力学の第2法則
    熱源が2つだけの機関
     熱力学の第2法則では仕事と熱に関する表現が出てきており、熱機関を意識したものになっている。 熱機関について考察することで、第2法則を表現する数式を見つけることが出来るかもしれない。 なるべく単純なものから考えていこう。
     一つの熱源だけで動作し続ける機関はトムソンの原理に引っかかるので考えるだけ無駄だろう。 よって一番単純な熱機関は二つの熱源(高熱源と低熱源)の間で動作するものだということになる。 その動作を図にすると次のようなサイクルになる。
     これは「カルノーサイクル」と呼ばれるものである。 右回りすれば、高熱源から熱を受け取り、その一部を仕事に変えて残りの熱を低熱源に捨てる動作をする。 また準静的過程であるので逆回りも可能であり、仕事を加えることで低熱源から熱を拾って高熱源へとくみ上げる動作をさせることも出来る。 2つの動作を区別するために、前者を「順カルノーサイクル」後者を「逆カルノーサイクル」と呼ぶことがある。
     赤と青の線で表した部分は等温変化であって、熱源が2つあることに対応している。 これらは反比例のグラ..

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