3-3慣性モーメントを計算する

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    慣性モーメントを計算する
    多くの学生が初めにつまづくところである。
    学生がつまづく原因
     慣性モーメントで学生がつまづくまず第一の原因は、積分計算のテクニックが求められる最初のところであるという事である。 高校までの積分の範囲では、積分の後についてくる dx とか dt とかいう記号が x で積分しなさいとか t で積分しなさいとかいう事を表すだけの単なる飾りくらいにしか扱われていない。 それがいきなり大学で dV とかになってもこれは体積全体について足し合わせることを表す単なる象徴的な記号であって、具体的な計算は不可能だと思ってしまうのである。 3重積分などが出てくるともうお手上げである。 まず、この辺りの考えを叩き直さなければならない。 本当はすごく簡単なのだ。
     学生がつまづくもうひとつの原因は、慣性モーメントと同時に出てくる「重心の位置を求める計算」である。 これらの計算内容は形式的にとても似ているので重心と慣性モーメントをごっちゃにして混乱してしまうようなのである。
    慣性モーメントの意味の確認
     前の記事で慣性モーメントが mr2 と表せることを説明したが、これは大きさを持たない質点に適用される話であって、大きさを持った物体が回転するときには当てはまらない。 形と広がりを持った物体の慣性モーメントを求めるときには、その物体が質点の集まりであることを考えて積分計算をする必要がある。
     なぜ慣性モーメントを求めたいのかをはっきりさせておこう。 動機は大切である。 慣性モーメントは「回転運動における質量」のような概念であって、力のモーメントと角加速度との関係をつなぐ係数のようなものである。 物体の慣性モーメントを計算することが出来れば、どれだけの力がかかったときにどれだけの回転をするのかを予測することが出来るので機械設計などの工業的な応用に大変役に立つのである。 もちろん理論的な応用も数限りないので学生にはちゃんと身に付けておいてもらいたいと思うのである。
     もうひとつ注意しておかなくてはならないことがある。 慣性モーメントの大きさは、物体の質量や形だけで決まるものではなく、回転軸の位置や向きの取り方によっても値が大きく変わってくるということである。 回転軸は物体の重心を通っている必要はないし、物体の内部を通る必要さえない。 一般に軸が重心を離れるほど、慣性モーメントは大きくなる。 バランスよく回るかどうかは慣性モーメントとは別問題である。
     しかし普通は、重心を通る回転軸のまわりの慣性モーメントを計算することが多い。 これには理由がある。 一つは、何も支えがない宇宙空間などでは物体は重心の周りに回転するからこれを知るのは大切なことであるということ。 もうひとつは、重心を通る軸の周りの慣性モーメントさえ求めておけば、あとで話す「平行軸の定理」というものを使って、軸が重心から離れた場合に慣性モーメントがどのように変化するのかを瞬時に計算することが出来るので、大変便利だという理由もある。
     そこで、これから具体例を一つあげて軸が重心を通る時の慣性モーメントを計算してみることにしよう。
    積分計算の意味
     半径 a 、厚さ b で、密度 ρ の円盤の慣性モーメントを計算してみよう。 この例を選んだ理由は、計算が難し過ぎなくて、かつ役に立つ内容が含まれているので教育的に良いと考えたからである。
     まず円盤が質点の集まりで出来ていると考え、その円盤の中の小さな一部分が持つ微小な慣性モーメント dI を求めてそれを全て足し合わせることを考える

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    慣性モーメントを計算する
    多くの学生が初めにつまづくところである。
    学生がつまづく原因
     慣性モーメントで学生がつまづくまず第一の原因は、積分計算のテクニックが求められる最初のところであるという事である。 高校までの積分の範囲では、積分の後についてくる dx とか dt とかいう記号が x で積分しなさいとか t で積分しなさいとかいう事を表すだけの単なる飾りくらいにしか扱われていない。 それがいきなり大学で dV とかになってもこれは体積全体について足し合わせることを表す単なる象徴的な記号であって、具体的な計算は不可能だと思ってしまうのである。 3重積分などが出てくるともうお手上げである。 まず、この辺りの考えを叩き直さなければならない。 本当はすごく簡単なのだ。
     学生がつまづくもうひとつの原因は、慣性モーメントと同時に出てくる「重心の位置を求める計算」である。 これらの計算内容は形式的にとても似ているので重心と慣性モーメントをごっちゃにして混乱してしまうようなのである。
    慣性モーメントの意味の確認
     前の記事で慣性モーメントが mr2 と表せることを説明したが、これは大きさを..

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