違憲審査制:ドイツ・日本の比較と目指すべき将来像

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    違憲審査制:ドイツ・日本の比較と目指すべき将来像
    1 |
    違憲審査制:ドイツ・日本の比較と目指すべき将来像
    序説
    日本国憲法第 81 条は「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかし
    ないかを決定する権限を有する終審裁判所である。
    くの論点を含む重要な条項であると言える。本稿では、日本における違憲審査の現状を、ドイツ
    の違憲審査制と比較しつつ、将来目指されるべき日本の違憲審査制について述べていく。
    日本における制度の現状
    世界における違憲審査制を理解する上で、それらは個人の権利保護を最大の目的とする「付随
    的違憲審査」と憲法を頂点とする法体系の整合性確保を重視する「抽象的違憲審査」という 2
    に大別される。こと日本においては、81 条が憲法保障の章ではなく司法権を規定する第六章に含
    まれていること、抽象的違憲審査において必要とされる提訴権者や裁判の効力についての規定が
    ないことから、憲法起草車の目的は「付随的違憲審査」であったものとされている。ただし、憲
    法 81 条は最高裁判所に憲法裁判所的性格を積極的に与えていると解することはできないが、だか
    定めることで、最高裁判所に憲法裁判所の機能を持たせることはできるとも考えられよう。
    では、実際にその運用状況はどのようになっているか。違憲審査権の行使には法令違憲による
    ものと適用違憲によるものの二通りが考えられるが、後者については現在までの日本においては
    その裁判例はない。前者の法令違憲によるものは、1.尊属殺重罰規定違憲判決(最判 1973.4.4)
    2. 1975.4.30)、3.衆議院議員定数不均衡違憲判決(最判
    1976.4.14、最判 1985.7.17)、森林法共有林分割制限規定違憲判決(最判 1987.4.22)、
    違憲判決(最判 2002.9.11)、6.在外邦人選挙権制限違憲判決(最判 2005.9.14>'b 67
    どまっており、後述するドイツでのその実例と比べれば、非常に消極的な運用状況と言えよう。
    上のような状況の原因を、伊藤正巳元最高裁判事は以下のように分析している。①「和」を尊
    重するわが国の精神風土から、最高裁判所内部での「和」の尊重にとどまらず、政治部門への礼
    譲の意識がある。②裁判の長期化から争点となる状況が既成事実化し、裁判所がこれを覆すこと
    識が強く、憲法の裁判所であるという考え方は生まれにくい。④大法廷回付を回避する傾向から
    小法廷で憲法事件が処理される(憲法判断の回避=ブランダイス・ルール、あるいは判例を引用
    しての合憲判断)。⑤顔のない裁判官、どの裁判官にあたってもほぼ同じような判断が期待される
    裁判官を理想とするわが国においては、少数意見は生まれにくい。
    つまり、和の尊重などの精神的要因、裁判の長期化や膨大な処理件数などの物理的要因、そし
    的なものとなってしまったと考えられる。例えばアメリカなどでは、違憲審査制と国民の代表機
    関が定めた法律の民主主義性の両立・関係性において非常に活発に議論がなされているが、日本
    においてそれは見られない。
    違憲審査制:ドイツ・日本の比較と目指すべき将来像
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    ドイツにおける違憲審査制度
    ヒトラーによる独裁政治を経験したドイツは、「憲法を守る」という最大の目的を達成するため
    に憲法裁判所を設置した。憲法裁判所においては、基本的人権を提訴できる権利として書き留め
    られただけのものとせず、その権利を保護することを求められている。そのため、憲法裁判所の
    第一義的目的は成分法律が憲

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    違憲審査制:ドイツ・日本の比較と目指すべき将来像
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    違憲審査制:ドイツ・日本の比較と目指すべき将来像
    序説
    日本国憲法第 81 条は「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかし
    ないかを決定する権限を有する終審裁判所である。
    くの論点を含む重要な条項であると言える。本稿では、日本における違憲審査の現状を、ドイツ
    の違憲審査制と比較しつつ、将来目指されるべき日本の違憲審査制について述べていく。
    日本における制度の現状
    世界における違憲審査制を理解する上で、それらは個人の権利保護を最大の目的とする「付随
    的違憲審査」と憲法を頂点とする法体系の整合性確保を重視する「抽象的違憲審査」という 2
    に大別される。こと日本においては、81 条が憲法保障の章ではなく司法権を規定する第六章に含
    まれていること、抽象的違憲審査において必要とされる提訴権者や裁判の効力についての規定が
    ないことから、憲法起草車の目的は「付随的違憲審査」であったものとされている。ただし、憲
    法 81 条は最高裁判所に憲法裁判所的性格を積極的に与えていると解することはできないが、だか
    定め..

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