刑事訴訟法-03(伝聞法則)

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    伝聞法則の趣旨と、伝聞法則に例外が認められる一般的な理由を説明し、さらに、いわゆる「前
    の不一致供述」が伝聞法則の例外として証拠に許容される理由を説明しなさい。
    (1)伝聞法則
    刑訴法は、刑罰法令の適用・実現にあたっては、公共の福祉と国民の基本的人権の保障とを
    全うしつつ、事案の真相を明らかにすることを目的とし(刑訴法1条)、これを達成するため、証拠
    の審査を相争う当事者の攻防に委ね、真実の判断を冷静な裁判所に任せた。当事者主義のもと
    では、証拠の審査について、憲法37条2項では、「刑事被告人はすべての証人に対して審問する
    機会を十分に与えられ、また、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有す
    る。」としており、憲法 37 条 2 項前段では、被告人に不利益な供述者に対する反対尋問権を保障
    したものであり、後段では、被告人に利益な証人に対する喚問請求権を保障している。このように
    被告人に対して、憲法が保障するところの権利として十全に保障されなければならないとしてい
    る。
    ところが、供述証拠は、供述者の知覚、記憶、表現、叙述という過程をたどるため、その過程に
    誤りがないかどうかを吟味しなければ供述の信用性があるとはいえない。供述の信用性を吟味す
    るために、公判での証人尋問がおこなわれ、偽証罪の制裁のもとに真実を述べる旨を宣誓がなさ
    れ、相手方当事者による反対尋問にさらされ、裁判所は供述態度やその状況観察などを通して、
    供述の信用性を判断できるとしている。
    そこで、事実審理を行う裁判所の面前での尋問に対する反対尋問を経ていない供述証拠(伝
    聞証拠)は、信用性に乏しく、証明力について疑わしい場合が多いために、公判期日外における
    他の者の供述を内容とする供述、および公判期日における供述に代わる書面などの伝聞証拠は、
    証拠能力を否定され、この原則のことを伝聞法則という(刑事訴訟法320条 1 項)。
    ただし、伝聞法則には例外が定められており、刑訴法321条~328条に該当する場合には、
    例外的証拠能力が肯定される。
    (2)伝聞法則の例外
    憲法 37 条 2 項も、(イ)反対尋問に代わるほどの信用性の情況的保障があり、かつ(ロ)その証拠を
    用いる必要があるときにまで、必ず審問の機会を与えなければならないという趣旨ではない。被
    告人の反対尋問権の保障といっても絶対的なものではなく、伝聞証拠の信用性が合理的に認め
    られる場合で、かつ、その証拠が真実発見のために必要である場合には、真実発見という観点か
    ら、一定の範囲で譲歩を迫られる。英米法においても古くから例外が認められていた。
    ①信用性の情況的保障→供述が信用できるような外部的情況。この保障には程度の差があ
    りうる。
    ②必要性→その証拠を使用する必要があること。この必要性にも程度の差がありうる(他で代
    替できるか否か、重要な証拠であるか否か等)。
    ※伝聞法則の例外は、①②の強弱の兼ね合いによって、相互に補完的に相対的に考慮され
    て、許否が決せられている。
    (2) 例外の 3 分類
    ①反対尋問が不可能な場合
    その 1 証人喚問不能の場合
    その 2 被告人の供述
    ②不完全なから反対尋問の機会を与えた場合
    その 1 供述が以前になされ、公判廷で事後的に反対尋問の機会を与えた場合
    その 2 以前の供述のときに反対尋問の機会を与えた場合(しかし、それは事実を認定する裁
    判官の面前ではない場合)
    ③ 反対尋問を必要としない場合(次表)
    伝聞法則の例外の要件
    a)必要性

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    伝聞法則の趣旨と、伝聞法則に例外が認められる一般的な理由を説明し、さらに、いわゆる「前
    の不一致供述」が伝聞法則の例外として証拠に許容される理由を説明しなさい。
    (1)伝聞法則
    刑訴法は、刑罰法令の適用・実現にあたっては、公共の福祉と国民の基本的人権の保障とを
    全うしつつ、事案の真相を明らかにすることを目的とし(刑訴法1条)、これを達成するため、証拠
    の審査を相争う当事者の攻防に委ね、真実の判断を冷静な裁判所に任せた。当事者主義のもと
    では、証拠の審査について、憲法37条2項では、「刑事被告人はすべての証人に対して審問する
    機会を十分に与えられ、また、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有す
    る。」としており、憲法 37 条 2 項前段では、被告人に不利益な供述者に対する反対尋問権を保障
    したものであり、後段では、被告人に利益な証人に対する喚問請求権を保障している。このように
    被告人に対して、憲法が保障するところの権利として十全に保障されなければならないとしてい
    る。
    ところが、供述証拠は、供述者の知覚、記憶、表現、叙述という過程をたどるため、その過程に
    誤りがな..

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