小説ノート12

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    どこから行っても遠い町 2008年12月20日 川上 弘美 大きくなると、自然に、いろいろなことがわかってしまう。 めんどくさいなあ、と、ときどきあたしは思う。でもしょうがない。時間は、たつ。あたしは、成長する。あたしの目には、それまでうつらなかったものが、うつるようになる。そしてまた反対に、うつっていたものが、うつらなくなる。 女の好奇心にいらいらし、女のぼくへの期待にいらいらし、女の移り気にいらいらし、ほんとうは自分のせいで起こっているいらいらを全部女のせいにしている自分にいらいらし、ぼくの足は風俗へと向かった。 長く生きた女も男も、なんというか、ありていな、感じなのだ。つつましい人も、遠慮会釈のない人も、親切な人も、意地悪な人も、みんなみんな、それぞれの元からの生地、というのだろうか、持って生まれ、また生きてくる間に身につけた、その人独特の、その人だけにしかない幾つもの特性を、いかんなく発揮しているようにみえる。 ぼくはそのありていさを、いとおしく思う。 平均とは、そのように、ある種の美に通じるものだ。 平凡、は、平均よりも、なんというのだろう、輪郭が決まらない、感じがある。 た..

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